研究課題/領域番号 |
19K04601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊藤 健一 宮崎大学, 国際連携センター, 准教授 (90524695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 自然由来重金属 / ひ素 / 溶出試験 / 溶出量 / 液固比 / 促進酸化試験 / 液固比バッチ試験 / 溶出リスク / 酸性硫酸塩土壌 / 加速変質 / 酸性化 / エージング / 黄鉄鉱 / 土壌汚染 / 重金属 / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
重金属土壌汚染における汚染物質の拡散リスクは、土壌の溶出試験で得られる重金属濃度と水の移動を計算する物理モデルで評価される。しかし、試験の濃度に比べて水の少ない土壌中の実濃度は高く、また土壌は酸化等で経時変化するため、モデルが実現象と乖離することが課題となっている。本研究では、水と土壌の関係に着目し、水/土壌の液固比を変えた溶出試験から土壌中の実濃度を示す。併せて酸化促進処理を行って酸化の進行や酸化後の濃度を予測する。そして、これらの成果を反映したより実現象に近い「重金属溶出評価モデル」を提案する。この成果は、土壌中の物質挙動理解を促し、土壌・地盤環境分野の発展と環境汚染の解決に貢献する。
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研究成果の概要 |
水/土壌比を変えた液固比バッチ試験を複数土壌に適用し、堆積岩において土壌からの重金属溶出がヘンリーの吸着等温式でモデル化できることが示唆された。酸化に伴い変化する酸性硫酸塩土壌については、加速変質試験により変質土壌を作成して液固比バッチ試験に適用することを発案した。加速変質試験として、スレーキング等の物理影響を抑制しつつ土壌を加温加湿処理する酸化促進試験試験方法を考案した。検討の結果、60℃加湿処理では屋外曝露試験と比べて約16.7倍の酸化促進加速が推算された。 以上から、「液固比バッチ試験+酸化促進試験」という土壌の長期溶出挙動の予測に対する新たなアプローチ手法を提供する成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果である簡易な液固比バッチ試験及び促進酸化試験との併用による重金属等の溶出パラメータ取得の試験手法は、自然由来重金属含有土壌及び経時変化で酸性化を伴う酸性硫酸塩土壌について、これまで屋外曝露試験やカラム試験による事象観察でしか把握できなかった重金属等の長期溶出挙動を予測するアプローチ手法である。この成果は広く土壌を扱う分野において土壌中の微量元素の放出挙動の評価手法の発展に貢献するものである。また、このアプローチ手法は汚染土壌の評価を発展させ、汚染土壌対策実務の安全性向上、合理化等に寄与する有益な知見を与えるものである。
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