研究課題/領域番号 |
19K04621
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
田村 隆雄 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (40280466)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 流域治水 / 森林 / 洪水 / 遮断蒸発 / 地表面流 / 複層林 / 流出解析 / 洪水低減機能 / 地表面貯留 / 森林整備 / 人工林 / 地表面粗度 / 林業 / 自伐型林業 / グリーンインフラ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、グリーンインフラとして注目されている森林の洪水低減機能、いわゆる「緑のダム」を流域治水の具体的メニューとして組み込む方法論を扱う。具体的には、林相が異なる複数の林地を対象とした水文観測と流出解析を行い、植栽、伐採、作業道整備等の施業が洪水流の主成分である表面流出成分の低減や遅延に及ぼす効果について考察し、30年程度の施業で実現可能な森林の洪水低減機能向上策について知見を得る。
|
研究成果の概要 |
スギ・ヒノキの複層林で得られた水文観測データを基に、単層林を複層林に変更した場合の洪水流出シミュレーションを行った。具体的には樹冠部の遮断蒸発能の改善、地表面の粗度係数の改善の効果を考察した。 植生転換したスギ・ヒノキ小流域では約15%の洪水ピーク流量低減を見込めると推定された。30年間の森林施業量を勘案して、大流域20%程度を複層林化した場合、2%程度の洪水低減効果しか得られないと推察された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林の洪水低減機能の中心は森林土壌にあり、その浸透能・保水能が寄与していると考えられている。本研究では樹冠の遮断蒸発と地表面の地表面流貯留に注目し、複層林という手段でこれらの能力を高めたときの洪水ピーク流量の低減効果についてシミュレーションを行った。 森林土壌の浸透能・保水能向上に関わる土壌層の増加は100年単位の時間が必要であるが、複層林化による遮断蒸発能、地表面流貯留能の増強は数十年(河川整備計画を視野に入れて30年程度)で実現可能である。
|