研究課題/領域番号 |
19K04629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
篠原 隆一郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主任研究員 (00610817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 底泥リン溶出 / 気候変動 / 底泥溶出 / 分子サイズ / 有機態リン / 成層 / 無機イオン / 酸化還元電位 / 底泥 / 塩分上昇 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の気候変動に伴う水環境の変化,特に塩分変動による底泥から供給されるリンフラックスの変化を明らかにするため、本研究は3年間のプロジェクトを組む.1年目には、霞ヶ浦の水門を開放した際の塩分の変化及び、その際の底泥からの有機態リンのフラックス変化について予備実験を行う。2年目には主に塩分上昇の際に溶出する有機態リン化合物の分析(31P-NMR)・限外濾過膜を用いた分子量分画に関する本実験を行い,リン溶出量・吸脱着量の実験を行う.3年目には有機態・無機態リン両方に関する吸脱着機構をモデル化する.その上で、塩分上昇シナリオに対して、どのように今後湖沼が応答していくか、シナリオ解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では気候変動に伴う底泥におけるリン溶出現象を明らかにするため、以下の研究テーマについて研究を行った。(1) 湖沼における気候変動の影響に関する研究―特に日射量増加に伴う湖沼水温上昇解析; (2) 水温上昇に伴う底泥リン溶出速度の変動解析; (3) 湖沼底泥間隙水中における硫酸イオン・硝酸イオンと栄養塩溶出に関する研究.これらの結果、(1) 1992年から2019年までの間に特に春季に水温が上昇しており、日射量の増加が湖沼水温に与える影響が大きい。(2) 底泥におけるリン溶出速度は、20℃を超えると非線形的に上昇する。(3) 硫酸イオンが極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動は、気温の上昇や、日射量の増加に代表される現象であるが、我が国の貯水池の管理に大きく影響を与える。例えば水温の上昇によって、植物プランクトンの増殖もあると考えられるが、それには極めて複雑なプロセスを経ていると考えられる。底泥からのリン溶出はそのうちの一つである。 気候変動の現象の一つとして、海面上昇がある。海水に含まれる硫酸イオンや塩化物イオンは有機物の動態に影響を与えるものとして知られている。本研究はこれらの気候変動に伴う湖沼環境変化を明らかにするため、水温上昇の影響及び硫酸・硝酸イオンによる底泥リン溶出現象について総合的に解析した。
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