研究課題/領域番号 |
19K04698
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
|
研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
金子 治 広島工業大学, 工学部, 教授 (80824135)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 建築構造 / 建築基礎構造 / 地盤工学 / 杭基礎 / 支持力 / 残存軸耐力 / 載荷試験 / 有限要素法 / 2次設計 / 耐震診断 / 要素試験 / 模型実験 / 耐震性能 / 軸力保持能力 / 地盤の支持力 / 水平抵抗 / 支持性能 |
研究開始時の研究の概要 |
大地震の発生時に建築物の杭が折れて沈下や傾斜が生じ,使用できなくなる被害が見られている.これを防ぐには,地震による杭の損傷の程度とその時の建築物を支持する能力との関係を適切に評価することが必要である.一方で,杭が損傷しても周りの地盤が建築物を支持できる場合もあると考えられる.そこで本研究では,過去の被害調査や数値解析および現場実験による検討を実施して,杭と地盤の両方が組み合わされて建築物を支持する能力について明らかにし,設計手法を提案する.
|
研究成果の概要 |
杭基礎が損傷を受けた後の地盤への荷重負担も評価した支持能力である残存軸耐力を,大地震に対する設計や耐震診断における判定指標とすることを目的として,載荷実験および有限要素法による解析を行った. 大型土槽を用いた実験では,半数の杭が破損しても,負担荷重が地盤へ移行して最終的に基礎構造全体で支持力が失われなければ沈下や傾斜は抑制され,上部構造の転倒や崩壊に至らないことを確認した.さらに,基礎スラブ形状や破損した杭配置が異なる場合の荷重負担の移行過程についてのパラメータ解析を行い,基礎スラブの荷重分担や沈下量や傾斜量について把握し,杭の残存軸耐力を定量的に評価する手法の確立につながるデータを得た.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重要度が高い建物や地震後も機能維持が要求される建築物などでは,現行技術基準では義務付けられていないとしても大地震時の基礎構造の耐震性について検討が必要である.杭基礎建築物では杭体の損傷後に周囲の地盤に荷重負担が移行している状態を終局状態と考えることもできるが,杭体単体の耐震性能に関する研究は進められているものの,地盤を含む支持メカニズムの評価には至っていない.本研究により杭の損傷後の地盤も含む支持性能である残存軸耐力についてのデータを取得し,大地震に対する設計や耐震診断のための基礎構造の耐震指標としての確立につなげられれば,より合理的に建物全体としての安全性確保や機能維持が可能になる.
|