研究課題/領域番号 |
19K04706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
杉本 訓祥 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (60758233)
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研究分担者 |
田才 晃 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 名誉教授 (40155057)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 付着応力度 / 付着すべり / スリップ挙動 / スラブ付き梁 / 多数回繰返し載荷実験 / 非線形FEM解析 / 鉄筋コンクリート / 復元力特性 / 付着 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、より安全で耐震性能の高い建物の新規建設に、また、既存建物に対してより詳細な動的挙動の評価や制震補強設計を行う際に、それぞれ貢献する目的で行う。具体的には、鉄筋コンクリート造建物の大地震時の応答性状をより適切に評価するため、鉄筋とコンクリート間の付着性状に着目して、梁や部分架構の実験を行い、良好な応答性能を発揮するために必要な条件を明らかにするため実験を行う。この時、既往研究で省略されがちな床スラブの存在により下端主筋がより高い応力状態になる点を積極的に考慮・分析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、鉄筋コンクリート部材の履歴復元力特性における、鉄筋とコンクリート間の付着挙動との関係について実験的に検証した。スラブ付き梁を主たる対象とし、また、実験においては、主筋とコンクリート間の相対変位(ずれ量)の計測に重点を置いて計画した。多数回の繰返し載荷を受ける梁部材の主筋について、定着部分と部材スパン内それぞれでずれ量を計測した。定着部の抜け出しや、付着割裂余裕度が小さい場合の相対変位などを計測し、付着特性と復元力特性におけるスリップや耐力低下との関係を確認した。様々な実験を対象として非線形FEM解析を実施し、付着特性の適切なモデル化により復元力特性評価を可能とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄筋コンクリート造建物の地震時挙動把握のため復元力特性の適切な評価は重要である。そして、耐震性能向上のためには、エネルギー吸収能力の高い履歴曲線が有する必要があるが、付着特性と履歴曲線の関係の明確化は充分ではない点が課題である。本研究で得た実験データに基づき、付着特性を適切にモデル化し、解析精度が向上することは、これらの課題の解決につながる。本研究により、付着特性は、定着部や部材内のほか、スラブや非構造壁などの梁に取り付く要素の影響も受けることが確認されており、さらなる適用範囲の拡大が必要である。これらの学術的意義は、構造設計に展開していくことで安全な建物を社会に提供できることにつながる。
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