研究課題/領域番号 |
19K04707
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
井上 圭一 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (70333630)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 地震応答 / 柱脚浮き上がり / 制振構造 / 画像解析 / 振動実験 / 柱脚 / 載荷実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、建物の長寿命化を図るため、建物上部構造の応答を低減し、柱脚部に設置するダンパーが損傷を受けた場合にはその交換を容易にする柱脚部システムを提案する。その構造特性を解明し設計方法を提案することを目的とする。研究方法として、試験体による載荷実験及び有限要素解析によって提案する柱脚システムの構造性能及び修復性の確認を行う。柱脚浮き上がりを許容した縮小模型を用いた振動実験による応答特性の把握を行う。さらに、柱脚浮き上がりダンパーを有する柱脚部の復元力特性モデルを設定し、地震応答解析により地震応答特性の評価を行い、設計法を確立するための基礎的研究を行う。
|
研究成果の概要 |
地震時に建物の柱脚部に浮き上がりを許容することによる制振構造システムを提案した。建物の損傷を低減し、継続使用を可能とする構造システムの開発を目標とし、柱脚部試験体の載荷実験、地震応答解析及び小型模型を用いた振動実験を行い、地震応答性状に関して考察した。振動実験の計測は画像解析により実施した。 柱脚部のアンカーボルトを降伏させエネルギーを吸収し、大地震後には損傷したアンカーボルトを交換するという新たな柱脚システムを用いた試験体の載荷実験を行い、有効性を示した。さらに、地震応答解析及び小型振動模型の振動実験により、地震応答性状に関する考察を行い、柱脚浮き上がり建物の実現に向けた知見を提示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大地震が発生した場合に、建物の損傷を低減し、エネルギーを吸収する柱脚部の修復を容易とする構造システムを提案した。大地震時に柱脚部が浮き上がり、振動特性の変化による地震応答低減効果があり、かつ柱脚部でエネルギーを吸収することで建物の損傷を減らし、かつ柱脚部の修復性を有する制振システムの開発のための基礎データを提示した。 特に、エネルギー吸収した結果損傷が生じる可能性がある要素が、柱脚部のアンカーボルトのみになり、大地震後に交換できるようにしておくことにより、地震後の建物構造体の長寿命化を見込むことができる。 既存の耐震・制振装置が設置しにくい建物にとっては、有効な地震応答制御法の1つになる。
|