研究課題/領域番号 |
19K04812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
栢木 まどか 東京理科大学, 工学部建築学科, 准教授 (10453820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 鉄筋コンクリート造 / 社寺建築 / 近代和風 / 寺院建築 / 神社建築 / 文化財 / 近代和風建築 / 近代化 / 関東大震災 / 尺貫法 / 不燃化 / 長源寺 / 山形市 / 社寺 / 伝統様式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、近代における社寺建築の不燃化と伝統様式を継承した意匠設計に、当時の建築家がどのように取り組んだのかを現存資料や建築の実地調査により明らかにすることで、木造文化圏の我が国において、鉄筋コンクリート造の導入がどのように進められたか、技術史上の評価を与えることである。 具体的には、大正から昭和初期にかけて日本国内で建設された鉄筋コンクリート造社寺建築が、どのように木造の伝統様式を取り入れ、新しい構造と融合させているのか、その技術的特徴と、特に地方都市における建設に関わる設計者、施工者に着目し、検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、戦前期において建設された鉄筋コンクリート造社寺建築に着目し、特に地方都市において先行した寺院建築について調査を実施した。国内最初の事例とされる本願寺函館別院に次いで建設されたと考えられる、山形市・長源寺では、その設計者、施工者が判明し、小屋のみを木造とするハイブリッド建築としての構造、構法上の特徴を明らかにした。左官職人による豪壮な彫刻による装飾も、地域性と時代性をあわせもつものであった。その他、函館別院施工者の木田保造による地方事例の確認のほか、東京における関東大震災後の鉄筋コンクリート造社寺を調査し、その技術的特徴について分析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統的社寺建築を鉄筋コンクリート造で建設することについて、木造以外の社寺建築は邪道であるという意識、もしくは近代和風建築としてはその後の展開の前段階であると評される状況に対して、この黎明期の試みには、社寺の耐火耐震という、神主や住職、氏子、檀家の強い希望が反映されており、その実現のために凝らされた技術について、改めて、建築史上において位置づけ、評価をすることは意義あることだと考える。
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