研究課題/領域番号 |
19K04828
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 愛知産業大学 |
研究代表者 |
石川 清 愛知産業大学, 造形学部, 名誉教授(移行) (40193271)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ゴシック / 文化受容 / イタリア / フィレンツェ / 中世建築 / 様式混淆 / ゴシック建築 / ルネサンス / 様式史 / ゴシック様式 / 混淆 / トスカーナ地方 |
研究開始時の研究の概要 |
中世後期にはイタリア建築もゴシック様式を受容したが、それは他のヨーロッパ諸国とは異なって、中世フランス・モダニズムを受け入れたわけではなく、それらを折衷主義的に導入したとされる。Trachtenbergの論説は、Franklの大著を「イタリアへの拡散」に関して補強・発展させる説得力のある論説であったが、イタリアにおけるゴシック受容の手法を単に「エクレクティシズム」という用語で総括するのは些か乱暴であり、むしろ意図的混淆と呼ばれるべきであると考える。本研究ではフィレンツェにおける後期ゴシックの受容は、ゴシック様式と伝統様式との意図的混淆にあったことを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究ではフィレンツェにおける後期ゴシック建築を詳細に調査することで、フィレンツェにおけるゴシックの受容は、ゴシック様式と伝統様式との意図的混淆であることを明確にすることが論点である。中世フランス・モダニズムの建築言語とその構成法は、中世イタリア建築は必ずしも敬虔な歴史主義の中にあったわけではなく、あくまでも折衷的なアプローチによって、部分的にしかも合目的に受け入れられたと考えられる。中世イタリアでは為政者の統一的趣向によらずに、他の都市国家にはない建築が要求された。中世フランス・モダニズムの純粋主義と方法的には対極にあった。その状況をフィレンツェに絞って解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世・ルネサンス建築史研究に従事して以来、フィレンツェ大学やフィレンツェ市当局および同分野の海外研究者・聖職者と親交がある。ルネサンスを主たる研究領域としているが、中世末期のイタリアにおけるゴシック文化の受容システムの問題の解明なくして、ルネサンス文化・建築はより深淵な域に到達できないと考える。国家主義的偏向がかかる学際的学問領域にあって、日本人として問題解決に普遍性を与える意義は大きい。
|