研究課題/領域番号 |
19K04929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
斉藤 寛泰 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (80362284)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 水素ガス爆発 / 減災システム / 爆発圧力緩和 / ポーラス体 / 消炎 / 水素 / ガス爆発 / 減災 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,地下施設や原子炉建屋など,圧力放散装置を設置しにくい密閉性の高い空間内の水素ガス爆発事故を想定した革新的被害低減法の確立を目的とする.具体的には,膨張火炎により圧縮されて高圧となる火炎周囲の未燃ガスを,壁面に設置したポーラス体内部に一旦隔離して背後の伝播火炎の加速を中断させ,ポーラス体内部での緩慢な燃焼により未燃ガスを消費させる.本課題では,ポーラス体内部の水素‐空気予混合ガス流動とその燃焼特性,密閉爆発容器壁面へ実装した場合の爆発圧力低減効果,ならびに,ポーラス体構造がそれらに及ぼす影響を明らかにするとともに,複雑構造空間内の水素火炎伝播についての学理構築にも有用な知見を見出す.
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研究成果の概要 |
原子炉建屋などの気密性の高い空間内で発生した水素ガス爆発発生時の圧力上昇を緩和させ,構造物の壊滅的損壊を防ぐための減災法の確立を目指し,爆発空間の一部の壁面にポーラス構造体(本研究ではガラスビーズなどの球形粒子を使用)を充填した空間を設置する方法の提案とモデル実験装置を用いた検証を行った.その結果,本研究で提案する手法によって,爆発空間の圧力上昇が緩和できることが示され,効果的な球形粒子サイズ,爆発空間体積に対する圧力緩和に有効なポーラス構造体充填空間体積の比率などの知見が得られた.さらに,充填粒子に,多孔質などの機能性を追加することにより,減災効果が向上することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
福島第一原子力発電所原子炉建屋における一連の水素ガス爆発の発生は,回復が極めて困難かつ甚大な被害をもたらした.近年では,水素を代替エネルギー源として普及させ,利用する試みも活発化しており,水素ガス爆発安全への対策が増々重要になっている.本研究で実証したポーラス構造部材を充填した空間を爆発が発生する可能性のある空間に隣接して設置する爆発圧力緩和法は,スケール効果等,さらに検討すべき事項も多いが,効果的な水素ガス爆発減災法の実現に資するものとなることを期待している.
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