研究課題/領域番号 |
19K04968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕和 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (90609364)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 氾濫土砂の制御 / 氾濫土砂 / 氾濫流木 / 水害 / 洪水氾濫由来物質の挙動解明 / 洪水氾濫由来物質の制御 / 避難・復旧支援 / グリーンインフラ |
研究開始時の研究の概要 |
流木、土砂、ゴミといった洪水氾濫由来物質は、水害時の避難を阻害し、復旧を長期化させる要因である。また、昨今の豪雨外力の激化に伴い、氾濫物質量も増加する可能性が否定できない。一方で、物質の氾濫自体は完全には防ぎ得なくとも、氾濫域での拡散が制御できれば、被災程度が緩和されるともいえる。しかし現状は、氾濫物質の氾濫域での挙動に関する学術的知見の蓄積すら、国内外ともに乏しい。そこで本研究では、①洪水氾濫由来物質の挙動を解明すること、②それに基づく制御法を考案すること、③水害時の避難・復旧支援へ成果還元することを目指す。
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研究実績の概要 |
これまでの水理模型実験で、①杭や板を氾濫域側に設置することにより、氾濫土砂量を抑制させる、②一方、杭や板を氾濫域側に設置することにより、氾濫流量を増加させる、③実験では流すことのできなかったSSの影響を仮定すると、板を設置した時は対策なしに比べて氾濫土砂量を増加させる、④それに対して杭を設置した時は対策なしに比べて氾濫土砂量を抑制させる、⑤杭や板を設置することで氾濫土砂を堤体付近に厚く堆積させ、総氾濫流量は堤体の残土量だけではなく、決壊箇所の位置にも規定される可能性がある、などの知見が得られている。このような結果に至った水理的なメカニズムについて、模型実験に伴う誤差の扱い方によって解釈が変わってくる可能性が示唆されたため、実験結果の生データまで遡り、統計処理の方法を吟味しおおむねその作業を終えられた。また流速などの氾濫域の流れ場の詳細を推定するための数値モデルの結果との検証も、この統計処理の方法によって妥当性の判断が変わりうるため、数値モデルの構築はその大半を終えたところで留まった。なお、数値モデルは氾濫物質の制御に用いた各種の方法は計算領域の中では(局所的な)線構造物となるため、それらの適切なモデル上での表現方法についての検討も行っている。氾濫土砂が浮遊状態でこの線構造物を通過するプロセスを、ビデオカメラでの撮影映像からも照合する予定である。成果発表のための論文執筆は、上述の処理に関する部分と英文校閲以外については形を整えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文投稿にあたり、収集データの再確認と統計処理を吟味するのに当初想定より時間を費やしたため。
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今後の研究の推進方策 |
上述の統計処理と数値計算の結果をまとめ、完了次第成果を論文にとりまとめ、事業期間内に刊行まで行なう計画である。
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