研究課題/領域番号 |
19K04981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 博之 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80224533)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 相変態 / 形状記憶合金 / 伝熱工学 / アクチュエータ / マルテンサイト変態 / 潜熱 / 非定常熱伝達 / 熱力学 / 自己組織形成 / ステファン問題 / 伝熱 / 蓄熱 / 蓄熱材料 / 蓄熱効果 / 熱弾性 |
研究開始時の研究の概要 |
形状記憶合金は熱弾性型マルテンサイト変態と呼ばれる固体相変化によって形状記憶効果を示す。変態が進む途中での二相共存状態において変態潜熱の非定常な伝達が組織形成へ及ぼす影響を解明し,顕微鏡組織の時間変化を適切に再現する時間発展シミュレーションモデルを作成する.材料工学における相変化の結晶学と,機械工学における弾性不均一体の連続体力学解析および伝熱解析を組み合わせた実験・理論・数値解析を行い,その成果として形状記憶合金による固体蓄熱材料の性能を実証する.
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研究成果の概要 |
形状記憶効果とは変形しても加熱すると形が戻る現象である。加熱には形状記憶材料の比熱の分の熱だけは足りず、潜熱と呼ばれる熱を与えなければならない。これは氷が解けるときと同じで、保冷剤や氷まくらは潜熱で冷却している。形状記憶合金の潜熱を冷却に使うことができれば、水漏れが困る電子機器や自動車の保冷剤となる。これが固体潜熱蓄熱である。この蓄熱材料を工学的に設計するために、従来の材料研究ではほとんど問題にならなかった潜熱の大きさと,潜熱が熱拡散で試料中に広がる熱伝達について詳しく調べた。特に,医療用ステントの材料であるニッケルチタン合金の潜熱が形状記憶合金の中で最も大きいことに着目している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
形状記憶合金の熱弾性型マルテンサイト変態について、潜熱の絶対値およびその非定常伝達について検討し,固体蓄熱材料の応用を提案した。文献では,様々な形状記憶合金の中でニッケルチタン合金の潜熱が最も大きく,今回,実験により文献値よりも大きい±36J/gの値を得た。潜熱の発生は試料温度の局所的な乱れを伴い、その乱れを二次元温度分布の熱画像として初めて撮影した。形状記憶合金で液漏れのない固体の冷却材を創るための基礎的な物性を明らかにするとともに,モデルによる視覚的な実証を行った。
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