研究課題/領域番号 |
19K05018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
松本 里香 東京工芸大学, 工学部, 教授 (30338248)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 炭素材料 / 黒鉛 / グラフェン / インターカレーション / ナトリウム / 多層グラフェン / 黒鉛層間化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代二次電池として注目されるナトリウムイオン電池は、炭素材料へのナトリウム(Na)のインターカレーションを利用している。黒鉛等の炭素材料の層間にNaがインターカレーションするとNa-黒鉛層間化合物(Na-GIC)を生成するが、Na-GICの飽和組成や特性はわかっていない。 本研究では、容易なインターカレーションが期待できる多層グラフェンを用いて、Na-GICの飽和構造を明らかにする。さらに、結晶構造に欠陥を導入することで、全層間にNaが存在するステージ1構造のNa-GIC合成を試みる。また、高結晶性黒鉛を用いて様々なステージ構造をもつNa-GICを合成し、構造と物性の関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
黒鉛層間へのナトリウムのインターカレーションが難しいことが知られており、これはナトリウムイオン電池等の開発の障害にもなっている。しかし、本現象に関しては必ずしもすべてが明らかとなっているわけでない。また、生成した化合物の特性評価も十分に行われていない。本研究では黒鉛~超薄層黒鉛とみなせる多層グラフェンを使用することでナトリウムのインターカレーションを再考察することを目的とした。その結果、ナトリウムインターカレーション実現につながるヒントを得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ポストリチウムイオン電池として、ナトリウムイオン電池が注目されている。しかし、ナトリウムはリチウムと異なり黒鉛系材料へのインターカレーションが困難なことから、リチウムイオン電池で構築した黒鉛負極をナトリウムイオン電池に利用することができない。本研究成果で得られた知見は、黒鉛系材料へのナトリウムインターカレーションの可能性を示すものであり、負極材料の設計に役立つと考えている。また、ナトリウムのインターカレーションが難しい理由は必ずしも学術的に解明されているわけではない。本研究の成果はこれまでの研究成果を裏付け、可能性を示すものとなる。
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