研究課題/領域番号 |
19K05025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
尾原 幸治 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 主幹研究員 (00625486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 時分割PDF解析 / 液相合成 / 硫化物ガラス / 液相合成観察 / 固体電解質 / 液相合成プロセス / その場PDF解析 |
研究開始時の研究の概要 |
電解液を用いない全固体電池の実用化は、硫化物ガラス電解質の開発進捗に依存する。ゆえに、その乱れた構造とリチウムイオン伝導の相関を議論できるPDF解析は、重要な分析ツールといえる。しかし、ガラス構造に影響を与えうるアニールや合成、充放電の反応時間と、精密なPDF解析に必要な計測時間には隔たりがある。そこで、新しい分光技術により得られる超高強度X線を非晶質PDF解析へ適用し、秒オーダーで十分な統計精度の時分割PDFデータの取得を実現し、その時分割データを再現する構造モデル構築法も改良する。これらの手法確立より、本研究は全固体電池用硫化物ガラスの液相合成プロセスを再現し、その機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、SPring-8の高強度X線を用いた時分割PDF解析によって、硫化物ガラスの液相合成過程の直接観察を試みた。10秒毎のデータ取得にて異なる溶媒における合成反応を確認し、溶液中の錯体構造の安定性と固体電解質生成速度の相関性を明らかにした。液相合成において用いる溶媒によってイオン伝導率が異なり、詳細なPDF解析よりイオン伝導率が高いものほど溶液中で硫化物ガラスも早い段階で形成される傾向にあった。 当該内容は、Physica Status SolidiB誌(2020, Vol. 257, 2070041 )および、同誌のInside Front CoverPictureにて掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電解液を用いない全固体電池の実用化は、硫化物ガラス電解質の開発進捗に依存すると言っても過言ではない。さらに大量合成を目指す上で、液相合成中の合成プロセスの可視化は重要となる。これまで、ガラス構造の評価は合成後が主であり、合成プロセス中の構造に関するその場観察は例がなく、本技術開発研究により、合成溶液中の錯体構造の安定性とガラス電解質生成速度の相関性解明が得られた。これは今後の液相合成による固体電解質開発の重要な指針となり得る。
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