研究課題/領域番号 |
19K05109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 啓晃 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (90249954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | シクロデキストリン / 包接 / 貴金属回収 / ガルバニック置換 / 反応速度制御 / 軟X線 / 硬X線 / 吸収スペクトル / 可視・紫外光 / 硬X線 / 析出速度 / 金錯イオン / 可視紫外 / 3d遷移金属 / シンクロトロン放射 / 軟X線 / 銅 / ヘリウム雰囲気 / 元素選択 |
研究開始時の研究の概要 |
シクロデキストリンはグルコースがつながって環状構造をとった「環状オリゴ糖」の一種である。環の外側は親水性、内側は疎水性となっていて疎水性の分子やイオンを包接して水に溶かすことが出来る。この特徴を生かして廃材などから特定の貴金属のみを選別して回収する方法が考案され実用化も視野に入れられている。本研究ではこのメカニズムを明らかにして金属元素選択的包接反応を行うための道筋をつけることを目標としている。
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研究成果の概要 |
「シクロデキストリンによる元素選択的貴金属回収メカニズム」を解明することを本研究の目標とした。まず、静的メカニズム(包接前後の電子状態の変化)を解明するために、シクロデキストリンに包接された金錯体の軟X線および硬X線吸収スペクトルを広島大学の放射光施設HiSORにて測定し、包接に起因すると思われるスペクトルの変化を観測した。 また、貴金属回収過程における動的メカニズムを解明するために、ガルバニック置換反応を利用してさまざまなシクロデキストリンの添加効果を調べた。その結果、シクロデキストリンの種類を変えることによってニッケル基板上への金析出反応の速度を制御できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シクロデキストリン包接前後における分子の電子状態の変化を、X線吸収スペクトルによる元素選択観測から明らかにした。これにより、単なる水溶解度の増加や熱耐性向上のための包接ではなく、包接された分子をより機能的に働かせるための基礎的な情報(電子状態)を得ることに成功した。 また、ガルバニック置換反応を利用した金回収反応の速度を、シクロデキストリンの種類を変えて制御可能であることを明らかにした。これにより、複数の貴金属を順番を制御して積層させることや、金属ナノ粒子のサイズ制御・異種金属表面コーティング等にも応用可能な技術を提供することができた。したがって、社会的意義は大きいと考えられる。
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