研究課題/領域番号 |
19K05117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
山中 真也 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30596854)
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研究分担者 |
門田 和紀 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (50709516)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アモルファス炭酸カルシウム / メソポーラス炭酸カルシウム / アパタイト / 難溶性物質 / 重金属 / 構造と機能 / フェルラ酸 / 重金属イオン / カドミウム / 難溶性物質溶出特性 / 重金属イオン吸着能 / 多孔性炭酸カルシウム / 多形制御 / 吸着 / 溶解性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、炭酸カルシウムに対する吸着現象を対象として、炭酸カルシウムでのみ発現する機能を探索する。この場合、吸着サイトの質と量を決める「結晶多形」と「比表面積」の制御がキーとなるが、その両者を満足する炭酸カルシウムの合成法の報告はなかった。こうした中、我々は結晶多形を任意の割合で制御可能な、大きな比表面積(50~200 m2/g)を有する多孔性炭酸カルシウムの合成に成功した。本研究では、多孔性炭酸カルシウムの(1)多形と重金属イオン種(1成分、あるいは多成分系)との反応性、(2)多形が難水溶性薬物の溶解性に及ぼす影響、の2つを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、多孔性炭酸カルシウムの構造と吸着剤としての機能を検討した。まず、非晶質炭酸カルシウム(ACC:Amorphous Calcium Carbonate)を前駆体として、比表面積、多形の異なる様々なメソポーラス炭酸カルシウムの合成法を確立した。つづいて、合成した多孔性炭酸カルシウムのカドミウム、フェルラ酸に対する良好な吸着能を確認するとともに、カドミウムイオンやフェルラ酸の吸着メカニズムを検討して、合成した多孔性炭酸カルシウムの特徴を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身近な物質「炭酸カルシウム」は結晶化した「結果」であり、その起源は「非晶質炭酸カルシウムACC」とされている。多くの研究者がこのACCの重要性を指摘している一方で、ACCは「水」への溶解・再結晶が速く秒単位の寿命しかないほど不安定である。即座に緻密な結晶となるため、構造を精緻に制御した炭酸カルシウムを合成しようとすると、普通、テンプレート(鋳型)を使う。本研究で合成した「純粋で安定なACC」は、構造化の分岐点であり、生体鉱物の形成機構解明につながる可能性を秘めている。
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