研究課題/領域番号 |
19K05141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
松根 英樹 宮崎大学, 工学部, 准教授 (10380586)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ナノカプセル / ドラッグデリバリーシステム / シリカ / 酵素 / 糖 / 犠牲鋳型 / 中空粒子 / 糖分子集合体 / 高酵素活性 / 酵素固定化 / カプセル / DNA / 微粒子 / 多孔性マイクロカプセル / 触媒反応 / グルコースオキシダーゼ / DDS / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素は生体由来の優れた触媒であるが,一般に耐久性が低い.しかし,ナノカプセルなど保護膜内に酵素を劣化させずに封じ込めることができれば,耐久性の著しい向上が見込まれ,従来適用できなかった場所で酵素を利用できるようになると考えられる.そこで本研究では,酵素を劣化させずにナノカプセル内に閉じ込める全く新しい方法を開発することを目的とした.さらに,調製した酵素内包ナノカプセルを,これまで利用できなかった細胞内に導入することで,細胞内での酵素の新規反応特性や機能を明らかにする.同時に,バイオ医薬品の新規生産法の開拓などに応用展開する.以上のようにして,新しい酵素工学の構築を図る.
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研究成果の概要 |
本研究では,独自の手法として糖のナノ粒子を過渡的な鋳型に利用することで,酵素を全く変性や失活させずに,酵素が内包したシリカナノカプセルの調製に成功した. 酵素を閉じ込めたシリカカプセルは工学や医療の分野で幅広い応用が期待されていたが,酵素の機能を失わずにカプセル化することは,これまで非常に困難であった.本研究はそれを解決する手段であり,かつ全く新しい方法論である.特別な装置や道具を必要としないことから,今後工学的に幅広く応用され,普及するものと期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中空粒子を調製するために通常,鋳型が必要である.本研究でも鋳型を用いているが,鋳型となる材料に糖のナノ粒子を用いている点が新しい.糖のナノ粒子はこれまでに報告がなく,独自に開発した.水を加えると直ちに溶解して消失するため,中空構造の過渡的な鋳型に利用できる.その結果,あらかじめ酵素を糖ナノ粒子内に埋め込んで,その後,シリカで被覆すれば,水洗浄という極めて温和な条件で鋳型を除去でき,内部に酵素を保持した中空シリカナノカプセルを調製できる.カプセル内の酵素は本来の活性を維持しており,これをドラッグデリバリーシステムへ応用することで,バイオ工学分野の発展が大いに期待される.
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