研究課題/領域番号 |
19K05162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
堀内 淳一 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (30301980)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 大腸菌 / 単鎖抗体 / 流加培養 / 分泌生産 / Fed-batch culture / E. coli / scFv / scFv / fed-batch culture / DO-stat / secretion |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはペリプラズム分泌シグナルを導入した組換え大腸菌を用い、DO-stat流加培養を行うことにより、医療診断に用いる単鎖抗体(scFv)を活性型のまま数g/Lのオーダーで菌体外に分泌生産できることを報告した。この手法が確立できれば遠心分離した培養液から直接タンパク質を精製することが可能となり、高コストな分離・精製プロセスを大幅に簡素化できる。本申請ではこの培養手法を確立するため、組換え大腸菌における単鎖抗体等の菌体外分泌メカニズムを明らかにすること及び安定的な菌体外生産を実現するための培養条件の最適化を目的とする。
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研究成果の概要 |
本申請では組換え大腸菌における単鎖抗体(scFv)の菌体外分泌メカニズムを明らかにし、その知見に基づいて組換え大腸菌によりscFvを活性型のまま菌体外に効率的に生産する培養手法を確立することを目的とした。その結果、scFvの菌体外分泌現象が細胞内成分の非選択的漏出に基づくことを明らかにし、最適DO条件を決定し、DO-stat流加培養によるscFv生産性を大幅に向上させた。さらに培養中に遊離アミノ酸を含む酵母エキスを過剰に供給することによりDO-stat流加培養後期におけるscFv生産の分解を抑制した。これらの研究成果を原著論文2報により報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で用いられた単鎖抗体をはじめとする各種抗体断片は、今後の医療診断、免疫検査に必須の試薬で、その生産効率化の実現は大きな社会的意義がある。またタンパク質医薬品製造における分解抑制問題は切実なニーズであり、本課題を解決することにより生産コストを大幅に下げることに繋がる。このように本研究は、免疫診断用抗体フラグメントを始めとする組換えタンパク質生産を革新的に低コスト化・効率化する手法であり、ウィルス感染症の検査用キットの低コスト化に大きく貢献するとともに、機能性ペプチドなど比較的低分子量で、糖鎖修飾が不要なタンパク生産に幅広く応用できる。
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