研究課題/領域番号 |
19K05175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
古水 雄志 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (80735829)
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研究分担者 |
松下 琢 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (10209538)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | がん幹細胞 / ハイブリッドナノ粒子 / 肝臓がん / 増殖抑制効果 / コロニー形成試験 / アポトーシス / 薬剤耐性 / ナノ医薬 / 膵臓がん / 乳がん / CSC / ハイブリッドリポソーム / がん抑制効果 / 抗がん剤 / 腫瘍形成 / ナノ粒子 / リポソーム / 細胞膜構造 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん組織中のがん幹細胞(Cancer Stem Cell:CSC)の存在が注目され、CSCはがん細胞であり幹細胞の性質(薬剤耐性能・自己複製能・多分化能)を持つため、従来の抗がん治療後も優位に生存する。一方、これまで申請者が、ナノ粒子であるハイブリッドリポソーム(HL)を用いたがん治療に関する基礎研究において、HLはがん細胞の細胞膜構造特性の違いを認識して、がん抑制効果を見出してきた。そこで、本研究では、これまで申請者らが行ってきた“HLを用いたがん細胞膜を標的とするがん治療に関する成果”を元に、「HLを用いたCSCの選択的抑制効果」に関する知見を得、新規がん治療薬への応用を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ハイブリッドナノ粒子(HL)を用いた肝がん細胞におけるがん幹細胞(CSC)に対する増殖抑制効果を検討した。HLは、正常な肝細胞に影響を与えることなく、肝がん細胞の増殖を選択的に抑制した。特に、HLで処理した肝臓がん細胞のCD133+ /EpCAM+ CSCサブ集団の減少が観察された。さらに、HLはコロニー形成細胞数を著しく減少させた。最後に、HLのCSCの細胞膜への融合・蓄積を確認した。これらの結果は、HLが肝癌治療におけるCSCを標的とした新しいナノ医療治療薬となる可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
厚生労働省の人口動態統計によると、がんは1981年以降ずっと日本人の死因第1位で、全体の3割を占める。近年、抗がん剤が効かない原因としてCSCの存在に注目が集まっており、CSCを標的とするがん治療は、がんの根本治癒を目指すための最重要課題となっており、本研究課題の研究意義は極めて大きなものである。本研究成果は新規ナノ粒子であるHLのCSCに対する選択的な細胞増殖抑制効果について細胞レベルでの成果を報告したものであり、今後の展開が期待される。
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