研究課題/領域番号 |
19K05217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
新倉 謙一 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (40360896)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サブミクロン粒子 / アガロース / ナノ粒子 / タンニン酸 / ポリフェノール / 多糖 / ポリエチレングリコール / 金ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
抗原をナノ粒子に固定化することで、粒子サイズや形状に依存して抗原に対する免疫応答が向上することが明らかになってきた。本研究では、形状とサイズを制御したタンニン酸-PEG(ポリエチレング リコール)複合体粒子の合成方法を確立し、ワクチンへの応用を目指す。従来では形状やサイズが制御しやすい金属粒子の報告が多く、生体適合性の高い有機分子を使っての形状・サイズ効果の検証・応用には至っていない。これは有機分子の場合、形状やサイズをナノスケールで制御することが難しいためである。そこで、生体適合性の高いタンニン酸-PEG複合体の形状・サイズ制御法を確立し、それらの免疫応答への効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
加熱したアガロース水溶液と室温でのタンニン酸水溶液を混合することでサブミクロン粒子が容易に得られることがわかった。タンニン酸を過剰に使うことで、アガロースのゲル形成を阻害するだけでなく複合体の分散剤として作用し、良好な分散性を与えた。複合体は、2段階の熱応答を示し、50°Cまで加熱することで複合体からタンニン酸が放出された。 タンニン酸は、それ自身の薬剤機能だけでなく、さまざまな分子との親和性が高いため、薬剤を保持することも可能である。したがって、放出機能を有する粒子として(例えば、薬物送達担体として)天然アガロースを利用する新しい用途につながることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の遂行時はコロナ禍と重なっており、ワクチンの重要性が再認識された時期である。本研究は将来的にワクチンの効果を高めるための生体適合性の高い粒子の作製を目指した。この粒子は抗原や核酸を運搬し、免疫細胞に届けることを目的としている。ワクチン運搬時もできる限り冷蔵から室温において保存できることが望ましく、アガロースとタンニン酸からなる粒子のもつ安定した水中での分散性と生体適合性の両立はそれらの課題解決につながる可能性がある。またアガロースの粒子化はワクチンに限らず、広く多糖の生体材料としての応用範囲を広げるものである。
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