研究課題/領域番号 |
19K05220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
桑原 彰太 東邦大学, 理学部, 准教授 (10612658)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 温度応答性高分子 / 分離 / 顕微鏡観察 / 局所加熱 / 顕微分光 / 単層カーボンナノチューブ / 単一カイラリティ / メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
一液にすべての材料を混合し、半導体型の単層カーボンナノチューブを高純度に抽出できる、温度応答性高分子の相転移を利用した分離手法について、その分離メカニズムを解明する。本研究では、体温以上に加熱することにより相転移が誘起される温度応答性高分子の性質を利用し、局所領域の加熱により制限された空間でのみ温度応答性高分子を相転移させる。これを光学顕微鏡下で行うことで、温度応答性高分子の凝集体と液相、及びその固液界面における単層カーボンナノチューブと界面活性剤の物質移動を分光イメージングにより捉え、その分離メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
体温以上に温めることで相転移を引き起こす温度応答性高分子を用いた単層カーボンナノチューブの分離技術の機構解明に向けて、近赤外光照射による加熱を利用して温度応答性高分子を10ミクロンサイズの空間で相転移させ、光学顕微鏡でその様子を観察した。近赤外光照射後すぐに球状の温度応答性高分子の固相が観察され、固相の範囲が広がる様子が観察された。固相のサイズの経時変化を追跡することで、単層カーボンナノチューブの分離に影響を与える物質が、温度応答性高分子の固相形成に影響を与えることで、直径の小さい単層カーボンナノチューブが選択的に分離されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度応答性高分子の固相の体積を光学顕微鏡により直接観察することで、水溶液中に存在するナノ物質やナトリウム塩が温度応答性高分子の相転移にどのような影響を与えるのか解明することができ、水溶性高分子の水和構造に関する重要な知見が得られた。また、単層カーボンナノチューブの分離を左右する重要な因子と、分離される単層カーボンナノチューブの構造特異性との関連を見出すことに成功し、構造により電気的特性が大きく変化するカーボンナノチューブの特徴を利用したデバイス応用に向けて、最適な物性を持つ単層カーボンナノチューブを大量かつ安定に供給できる信頼のあるカーボンナノチューブ技術へと進展させられる。
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