研究課題/領域番号 |
19K05241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野地 尚 東北大学, 工学研究科, シニア研究員 (50180740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超伝導 / コインターカレーション / インターカレーション / ソルボサーマル法 |
研究開始時の研究の概要 |
コインターカレーションとは、金属と有機分子を、層状物質の層間に同時にインターカレート(共挿入)する手法である。このコインターカレーションで用いられる有機分子はアンモニアであったが、我々は直鎖系有機分子を挿入することに成功した。これにより、層間長(次元性)とキャリア濃度を同時に制御できることから、新規超伝導体合成手法として有望と考えて実験を行っている。本研究は、この手法をFeSeやPdX2 (X = Se, Te)の多くの層状物質に施し、新規超伝導体を合成し、種々の特性を測定するものである
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研究成果の概要 |
鉄系超伝導体FeSeと遷移金属ダイカルコゲナイドWTe2, MoTe2, SnSe2に対し、常圧溶液反応法とソルボサーマル法を用いてコインターカレーションを行い、種々の新超伝導体の合成に成功した。 FeSeでは、Liと直鎖モノアミンであるオクタデシルアミンのコインターカレーションにより、Fe - Fe層間長が今まで報告された最高値となる新超伝導体の合成に成功した。 他方、WTe2とMoTe2においては、コインターカレーションにより超伝導転移温度Tc = 3.8 - 5.6 Kの新規超伝導体を合成することに成功し、SnSe2においても、Tc = 5.5 - 7 Kの新物質合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、層間に金属と有機分子をコインターカレート(共挿入)することにより、キャリア濃度と次元性を同時に変化させて多くの新規超伝導体を合成することである。FeSeにおいては、直鎖モノアミンを用いると層間に縦に二重にモノアミンが配列し、層間長が極端に伸長することが分かった。この手法は、他の物質にも応用可能であり、層間長制御における新しい知見を得る事が出来た。 遷移金属ダイカルコゲナイドWTe2とMoTe2はワイル半金属候補物質であり、コインターカレーションに初めて成功し超伝導を観測したことは、トポロジカル物質の研究分野においても非常に意義のある研究である。
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