研究課題/領域番号 |
19K05278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
前田 文彦 福岡工業大学, 工学部, 教授 (70393741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | グラフェン / 銀 / 化学的気相成長(CVD)法 / 表面プラズモン / 触媒CVD法 / 高蒸気圧 / 低真空成長 / 熱分解 / 固相成長 / 非晶質炭素 / 蒸気圧 / 銀薄膜 / プラズモン |
研究開始時の研究の概要 |
表面反応により光学特性が容易に劣化してしまう銀表面にグラフェンを成長し、その保護機能を検証することを本研究の目的とする。この成長を量産可能な手法で実現するため、成長材料として炭化水素ガスではなく、固体炭素薄膜を成長材料とする化学的気相成長法をベースとした固相成長法を適用する。さらに、次のステップとして透明結晶基板上に銀単結晶薄膜を形成し、グラフェンの高品質化を図る。こうして形成したグラフェンの表面保護機能を検証することにより、表面プラズモンバイオセンサの最適材料として提供する。
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研究成果の概要 |
不活性な銀表面にグラフェンを成長するには化学的気相成長(CVD)法は不適当であると考えられていた。そこで本研究では材料ガスを分解して供給する2ゾーンCVD法と、非晶質炭素膜を形成する固相成長法について当初検討を進めた。しかし、本研究を進める中で提案する方法では成長が期待できないことが判明した。そこで、非常に高い銀の蒸気圧が阻害要因と考え、通常の減圧CVD条件より圧力を高めて成長実験を行った。その結果、結晶化したグラファイト薄膜を成長することに成功した。以上により、銀表面で分解反応が起きないという定説を覆し、CVDによる銀表面上への高品質グラフェン成長の可能性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、通常のCVD減圧成長より圧力を高めて成長実験を行い、従来の銀表面で分解反応が起きないという推定を覆してCVD法でもグラフェンの成長が可能であることを示した。これにより、銀を基板とした場合のCVD成長における阻害要因は、銀表面の低触媒能ではなく、高い蒸気圧であることを明らかにした。また、代表的な大面積グラフェン製造方法であるCVD法で銀表面上へ高品質グラフェン成長が可能であることを示すことができ、容易に特性劣化する銀表面に化学的に安定な原子層であるグラフェンを保護膜として一様に覆う構造を実現し、表面プラズモンバイオセンサの最適材料として提供する可能性を示すことができた。
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