研究課題/領域番号 |
19K05371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井田 朋智 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (30345607)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 化学結合 / 電子基底状態 / Coulson-Fischer波動関数 / 水素分子 / CF波動関数 / 機械学習 / 原子価結合法 / 化学反応 / 電子相関 / プロトン伝導 / ギ酸分解 / Hartree-Fock / スピン対称化 |
研究開始時の研究の概要 |
以前、考案されたスピン対称化Hartree-Fock方程式を用いて水素分子の解離過程ついて計算を行ったところ、解離過程が補正されるだけでなく、驚くことに平衡核間距離においてFull-CIに近いエネルギーを示された。計算結果の解析から、平衡核間距離におけるエネルギー安定性は、反平行なスピン分極構造が寄与していることが分かった。つまり化学結合には電子と核の静電項と量子効果の交換項、加えて反平行スピン分極項が重要だという従来の概念の刷新が示された。この計算手法を一般の分子へも適用可能な新規電子状態計算手法を開発する。
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研究成果の概要 |
1985年にLuzanovによってスピン対称化Hartree-Fock方程式という理論展開が提案されたが、その後全く芳しい進展がなかった。申請者はこの方程式を精査し、1949年にCoulsonとFischerが提案したVB法とMO法の特徴を併せ持つする波動関数と同じであることを突き止めた。このCoulson-Fischer波動関数はWilsonによって現代VB法として発展していたが、計算方法の独自性が強く、他の研究者が簡単に利用できなかった。そこで申請者はMO法の観点から理論を見直し、既存のMO法のソフトウェアで計算可能な定式化と、水素分子の電子基底状態に関する高精度計算方法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで水素分子の電子基底状態は様々な理論によって表現されてきたが、申請者の提案する計算手法は、既に多くの研究者によって考察されたVB法とMO法の両方の特徴を併せ持ち、かつ誰でもその波動関数を利用可能とするために改良を施した。得られる波動関数には化学結合に関する新しい見方も含まれており、波動関数の研究としても興味深い。またこの波動関数は様々な計算手法(密度汎関数法など)へ応用が可能であり、加えて高次電子相関計算の基底状態としても利用できる。この様に考案された計算手法は多岐の分野への応用が期待される。
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