研究課題/領域番号 |
19K05402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高橋 一志 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (60342953)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | スピンクロスオーバー / 分子間相互作用 / スイッチング現象 / アゾ配位子 / 金属錯体 / 相転移 / メカニズム / 熱力学的解析 / 結合異性 / カップリング現象 / 分子性スイッチング材料 / 熱力学パラメータ / 物性制御 |
研究開始時の研究の概要 |
温度、圧力、光、分子などの外部からの刺激に応答して金属イオンのスピン状態が変化する現象はスピンクロスオーバーとよばれ、そのような金属錯体はメモリやディスプレイ、センサーとしての応用が期待されている。スピンクロスオーバーを精密に制御するためには、金属錯体における分子内と分子間のそれぞれの要因を明らかにする必要がある。しかし、分子間相互作用に基づく具体的な要因は明らかになっていない。そこで、スピンクロスオーバー錯体の誘導体を系統的に調べることで、分子間相互作用に基づく要因を明らかにする。また、それらの知見を元に電気伝導性、磁性や誘電性などの機能性をスイッチする機能性金属錯体を開発する。
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研究成果の概要 |
金属錯体結晶の磁性スイッチング現象であるスピンクロスオーバーのマクロな熱力学パラメータとミクロな分子間相互作用エネルギーとの関わりを明らかにするための解析方法を検討した。転移エンタルピーと分子間相互作用エネルギーとの相関を見出し、分子間相互作用の温度依存性から転移メカニズム解明につながる知見が得られることを明らかにした。また、鉄(III)スピンクロスオーバー錯体を与えるアゾ配位子の新たな機能性を開拓した。アゾ配位子の比較的高い電子供与能を明らかにし、アゾ配位子のペダル様回転が中心鉄(III)イオンのスピン状態でスイッチするスピンクロスオーバー誘起結合異性現象を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属錯体結晶の磁性スイッチングというマクロな現象に与えるミクロな分子間相互作用の効果を定量的に取り扱う方法を開拓した。分子間相互作用エネルギーという分子配列から計算されるパラメータに分子性物質の示す様々な機能性スイッチングの要因を内包していることが示された。今後幅広い機能性物質のスイッチングメカニズム解明への展開が期待される。さらに、アゾ配位子の新たな機能性も開拓した。このような多機能な配位子の特徴を利用することで、これまでにない機能性を示す金属錯体の開発への展開が期待される。
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