研究課題/領域番号 |
19K05409
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
林 久史 日本女子大学, 理学部, 教授 (60250833)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | プルシアンブルー類似体 / セシウム吸着剤 / リーゼガングバンド / 反応-拡散系 / 徐放性製剤 / Cs吸着剤 / in situ 高分解能・蛍光X線分光 / XANES / 局所構造 / Cs吸着 / 自発形成パターン |
研究開始時の研究の概要 |
プルシアンブルー(PB)は腸内で、放射性セシウム(Cs)の除去剤として作用する。PBの徐放化は、胃における無駄な放出を抑制できるので、薬理上、重要である。こうした徐放性製剤としての応用をにらんで、PBやその類似体(PBA)が、有機ゲル中において自発的に形成する離散的沈殿帯(リーゼガングバンド)について研究する。PB/PBAの離散的沈殿帯が自発的に生成する調製条件を探り、最適条件で調製した試料にCsを吸着させる。そして、蛍光X線分光法とX線吸収分光法を併用して、調製途中から調製後に至るまでの、沈殿帯中のPB/PBAの濃度分布と局所構造、さらにはCs吸着状態に関する知見を得る。
|
研究成果の概要 |
本研究では、実験室で利用可能な高分解能・蛍光X線分光器を新たに開発し、これをアガロースゲル中に自発的に形成されるマンガン(Mn)-鉄プルシアンブルー類似体(PBA)沈殿帯の分析に応用、徐放性製剤としての可能性をもつ周期的沈殿帯がもっとも生成しやすい調製条件、その条件におけるPBAの濃度分布、Mnまわりの局所構造、高いセシウム(Cs)の吸着能とそのメカニズムを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アガロース中で自発的に形成されるマンガン-鉄系のPBA(Mn-Fe PBA)の周期的沈殿現象が、放射性セシウムの吸着・除去に有効利用できることをはじめて示した。この成果は、環境科学や放射線医学に貢献するだけでなく、自発的なパターン形成の材料科学への応用としても興味深い。加えて、本研究の中で新たに見いだされた2種類の反応と拡散による新規な沈殿パターン形成現象は、非平衡系の物理学に新たな研究領域を提供した。このように本研究は、基礎・応用両面の様々な研究領域に新たな刺激を与えた。
|