研究課題/領域番号 |
19K05421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
波多野 さや佳 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 講師 (30648689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光有機反応 / ラジカル種 / キノイド構造 / フェノキノン誘導体 / スピン状態 / 有機ラジカル / フォトクロミック分子 / 結合組み換え |
研究開始時の研究の概要 |
化学反応の基本を担う化学結合の形成・開裂に結びつく有機ラジカル化学に関する基礎研究は極めて重要である。本研究では、光照射による『結合組み換え』で構造が変化するフォトクロミック分子をリンカー骨格としたフェノキノン誘導体を用い、光の作用によってキノイド構造とビラジカル性の寄与をコントロール可能な新たな分子の創製および光反応を解明し、有機ラジカル分野の新たな研究戦略指針を開拓することを目的とする。また、『結合組み換え』の際に生じるスピンと別途導入した光誘起スピンとの磁気的相互作用および光反応を追究し、これまでの概念を覆す新たな光反応やそれに伴う新規分子骨格を模索する。
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研究成果の概要 |
光照射による結合組み換えが起こるノルボルナジエン誘導体をフォトクロミック分子としてリンカー骨格に用い、光の作用によってジラジカル性を発現する新規キノイド化合物を創製した。各種測定および量子化学計算を行って、その光物性を明らかにした結果、目的化合物は光照射によって超短寿命な過渡種を経て、193 Kにおいて75 nsの寿命を有する三重項ジラジカルを形成し、元のフェノキノン誘導体に戻ることを明らかにした。今回合成した化合物は、光照射で生成するジラジカル種が短寿命種ではあったが、光の作用によってキノイド構造とジラジカル性の寄与をコントロール可能な新たな分子の光物性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラジカル種は反応性が高いため、新たな有機ラジカル分子を創製し磁気的相互作用および反応性を解明することで、今までの概念を覆す新たな反応やそれに伴う結合形成、分子骨格を見出す可能性があり、基礎研究として大変重要である。しかし、有機ラジカルは反応性が高いために扱いが困難なことが多く、研究報告例が少ないのが現状である。本研究では、光照射による結合組み換えで構造が変化するフォトクロミック分子をリンカー骨格とした新規フェノキノン誘導体を用い、光の作用によってキノイド構造とジラジカル性の寄与をコントロール可能な新たな分子の創製および光物性を解明し、扱いが困難な有機ラジカル分野の新たな研究戦略指針を示した。
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