研究課題/領域番号 |
19K05427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
加来 裕人 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90299339)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 動的分子認識 / 不斉分子認識 / ホスト-ゲスト化学 / ジアステレオ制御 / エピメリ化 / オキシマイケル付加 / ヒダントイン / X線結晶解析 / デラセミ化反応 / ヒダントイン類 / ホスト-ゲスト化学 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品をはじめとした生物活性物質は,光学活性体として供給されることが望ましい.二種の異性体間で活性強度が異なったり,全く違った生物活性が発現したりすることがあるからである.今回,アルカリ存在下で起こる可逆(平衡)反応を用いた光学活性化合物供給法を考案した.通常,平衡反応では生成物が混合物となる.そこで,不斉結晶場での分子認識現象を利用することで,平衡をより安定な包接錯体側へと導くことで,光学活性化合物の供給を目指す.具体的には,①ケトンのα位のエピメリ化平衡下でのジアステレオマーの立体制御と②分子間平衡反応を利用した光学活性ジアステレオマーの調製を検討する.
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研究成果の概要 |
光学活性ホストの作る不斉結晶場での分子認識を利用した光学活性化合物の供給法を新たな方法論により開発し,ジアステレオー制御法として確立した.本反応は,動的分子認識を活用した熱力学的な平衡下での反応である.具体的には,ジ置換環状ケトン類のアルカリ存在下でのエピメリ化を平衡系としたジアステレオー制御法(包接錯体誘導型ジアステレオメリ化)の開発である.さらに,マイケル付加-脱離反応を分子間平衡反応として利用した光学活性ジアステレオマーの制御法の開発にも成功した. また,本反応の基盤となるホスト-ゲストの分子認識の様子をその包接錯体のX線結晶構造解析により明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラルスイッチ医薬品などに見られるように,既存の医薬品についても光学活性体での提供が望まれるようになってきている.立体異性体間では,それらの活性強度が異なったり(あるいは全く活性がない),全く違った生物活性が発現することがあるからである.そこで,光学活性体調製のための新たな方法として,これまでとは一線を画す熱力学的な平衡下での反応を開発した.平衡下での反応では、いくつもの化合物が共存するとされるため、これまで有効な反応系ではなかった。そこで、包接錯体を形成するホスト分子を系内に組み込んだ動的分子認識反応を確立した.これにより,医薬品や機能性分子の合成のための原料を簡便に作成できると期待できる.
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