研究課題/領域番号 |
19K05463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
坂井 教郎 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 教授 (00328569)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ジルコニウム / ヒドロシラン / 還元 / クロスカップリング / メタロセン金属錯体 / フッ化ジルコノセン錯体 / クロスカップリング反応 / 還元反応 / メタロセン錯体 / ハフニウム / 三フッ化ホウ素 / ジルコノセン触媒 / 炭素ーフッ素結合活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、後周期遷移金属と、典型あるいは前周期遷移金属を組み合わせた二つの協働触媒系で炭素-フッ素結合の選択的な切断を可能にしてきた。しかし、従来法では、後者の前周期遷移触媒は、再利用できず化学両論量以上の使用を必要とした。そこで本研究では、ルイス酸性が強くフッ素と強い親和性をもち、かつ、還元剤で容易にヒドリド錯体に戻すことができる高機能性第4族ジルコノセンフッ素化錯体を新たに分子設計し、触媒量で回転し、なおかつ後周期遷移金属とも協働で、炭素-フッ素結合から炭素-炭素結合に容易に繋ぎ変えられる新たな分子変換反応の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
フッ化ジルコノセン錯体、塩化パラジウム、トリエトキシランの還元触媒系に対して、末端アルキン誘導体とβ-ブロモスチレン類を処理すると還元的クロスカップリング反応が高立体選択的に進行し、有機高分子材料の原料となる1,3-ジエン誘導体が効率的に合成できる手法を開発した。また、β-ブロモスチレンの代わりに三フッ化ホウ素 (BF3) で処理すると、BF3のホウ素-フッ素結合を切断し、ホウ素-炭素結合の形成反応が触媒的に進行し、アルケニルホウ素化合物の合成にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不活性結合である炭素―フッ素結合の化学的切断は容易ではなく、これを自在に切断することができれば、フロン類のような不活性化合物を化学の力で分解し、環境問題を有機合成化学の力によって一挙に解決することが可能となる。今回、新たに高機能性第4族ジルコノセンフッ素化錯体を活用することで炭素―フッ素結合の切断を検討したが、その実現は困難であった。一方で、このジルコノセンフッ素化錯体は、ホウ素―フッ素結合の切断とホウ素―炭素結合の形成を高効率に実行できることを新たな知見として見出した。今後はこれらの成果を環境問題の解決の糸口につなげていきたい。
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