研究課題/領域番号 |
19K05484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
土本 晃久 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80313716)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 遷移金属触媒反応 / ホウ素 / 多置換アルケン / アルキン / 芳香族化合物 / π共役 / 触媒・化学プロセス / 亜鉛 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の研究室で合成できることを明らかにした新規なアルキニルボロン化合物 [アルキニルーB(dan)] を起点とし,これを C(sp)ーB(dan) 結合の直接変換と炭素ー炭素三重結合の骨格変換を経て, 様々な有用有機分子を合成するための優れたプラットホームになることを明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本申請課題の当初の目的は、当研究室で様々な誘導体の合成に成功したアルキニル-B(dan) を、多様な遷移金属触媒反応の基質として利用できることを明らかにし、これをもとに、有用有機分子の合成に繋げることであった。大別しては、[1] アルキニル-B(dan) の C(sp)-B(dan) 結合の遷移金属触媒直接変換と、[2] アルキニル-B(dan) の C≡C結 合へのジボリル化と、生じるトリボリルアルケンに対する、位置選択的な繰返しの炭素-炭素結合伸長反応によるπ共役拡張分子の自在合成、の二つの実現を目指した。 [1] については、o-ビス(3-インドリル)アレーン骨格の、二つのインドリル環に挟まれている中心の芳香環上のブロモ基を、アルキニル-B(dan) とパラジウム触媒存在下に直接クロスカップリングさせることに成功した。また、アルキニル-B(dan) の代わりにアリール-B(dan) もクロスカップできることを明らかにした。生成物については、光化学特性を評価し、量子収率の向上のためには、どういった分子デザインが有効であるかについても明らかにした。これらの研究結果については、国際学術雑誌(Adv. Synth. Catal.; impact factor = 5.981)に論文として投稿し、既に受理されて現在公開されている。また、この研究については、論文投稿時のレフェリーの評価が高かったことから、研究の内容が掲載雑誌の表紙絵としても採用されている。 また、アリール-B(dan) の直接クロスカップリングに関しては、さまざまな基質の組み合わせで反応が収率よく進行することを確認できている。 [2] に関しては、アルキニル-B(dan) の C≡C結合にジボリル化を施すことで、全て異なるボリル基からなるトリボリルアルケンが合成できることを見つけいるが、2022年度は、研究を進展させることはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
[1] の方については、順調に研究を進展できており、アリール-B(dan) の直接クロスカップリングに関しては、2023年度内の論文投稿を考えている。一方 研究テーマ [2] の方に関しては、研究スタート当時には予定していなかった人材不足に残念ながら見舞われた。研究推進力のある,大学院生である研究協力者に恵まれなかったため。[2] の方を力強く推進できなかったことから、現状,研究の進捗状況を「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、[2] の方に関しては、アルキニル-B(dan) から B(dan) 基含有のジボリルアルケンがまずまずの収率で得られることを新たにつけている。この反応に関して、収率の向上を目指すこと、これを実現次第、この反応の一般性を確保したいと考えている。
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