研究課題/領域番号 |
19K05505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三宅 弘之 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (00271198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 金属錯体 / らせん / 構造変換 / 置換活性 / 外部刺激 / アミノ酸 / 質量分析 / 分子認識 / 超分子 / キラル |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らが独自に開発した置換活性ならせん型金属錯体における瞬時なヘリシティーの反転現象が、生体系に見られるような、複数の弱い相互作用により制御されることに着目して、さらに多彩な弱い相互作用によりヘリシティーをコントロールできる超分子らせん構造体の構築と反転制御、および超分子集積化による応答性の向上や外部刺激の組み合わせを検知する特異性の附与と記憶化を目指す。そのため、 (1)フェニルアラニン誘導体配位子を用いた単核キラル金属錯体と (2)集積型キラル錯体、 をそれぞれ合成し、弱い相互作用のON-OFFによる完璧なキラリティー変換とキラリティー伝達に焦点を絞り、研究展開を図る。
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研究成果の概要 |
本基盤研究では、弱い相互作用を活用した動的超分子錯体のヘリシティー制御とらせん型錯体を活用した機能創出を目指し、芳香族側鎖をもつキラルな4座配位子の末端に金属イオンへの配位可能なジメトキシベンゼン基を導入した新規キラル配位子の設計、合成と、このキラル配位子と過塩素酸コバルトから調製したCo(II)錯体が弱い相互作用の組み合わせによってジアステレオ選択的に左手系らせん構造を形成し、アキラルな外部刺激により多様な構造変換を達成することを見出した。さらに、らせん型銅(II)錯体を用いて、エレクトロスプレーイオン化質量分析法を活用した遊離アミノ酸のエナンチオマー過剰率の同時分析法も開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請研究では、配位子と金属イオンとを単に混合するだけで純度の高いキラル錯体を得る新たな合成法とその構造変換法を探究するため、弱い相互作用の形成が期待できる芳香環側鎖をもつペプチド配位子を用いて、遷移金属錯体に完璧なキラリティーを誘起し、さらにその構造を外部刺激により反転させる新しい方法論と、生体分子の高感度センシングプローブへの展開を図った。このような不斉情報のスイッチングとキラルセンシングシステムは弱い相互作用のON-OFFで構造変換する生体超分子らせん構造のモチーフとして興味深く、また、光や電気信号にも応答する新たなキラリティー変換デバイスの開発に重要な知見を与えるものである。
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