研究課題/領域番号 |
19K05565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
難波 徳郎 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (80218073)
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研究分担者 |
崎田 真一 岡山大学, 環境管理センター, 准教授 (50379814)
紅野 安彦 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (90283035)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 汚染土壌 / 放射性セシウム / 重金属元素 / 溶融揮発処理 / 塩化物添加効果 / 有害元素の溶融揮発 / 汚染土壌の無害化処理 / 塩基度に基づく定量評価 / 揮発挙動の予測 / 最適処理プロセスの設計 |
研究開始時の研究の概要 |
汚染土壌中の放射性元素や重金属元素を選択的に除去する方法として溶融揮発法が注目されている。しかし元素の揮発挙動は組成によって異なり,最適処理条件の探索は試行錯誤的に行われているのが現状である。本研究では,複雑かつ多様な組成をもつ実際の土壌に対しても有効な溶融・揮発挙動の解析手法の確立を目指す。多成分系の取扱いに有効な多変量解析に加え,塩基度を指標として導入することにより,理論的な裏付けを加える。これらの学術的な検討を行うことにより,土壌や廃棄物毎に最適な無害化処理プロセスの設計指針の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
市販の真砂土に,非放射性CsであるCs2CO3,PbO,CdO,Cr2O3を添加し高温で溶融し模擬汚染土壌を作製した。溶融条件(容器の形状,溶融温度,添加する融剤や塩化物の種類)を系統的に変化させ,各元素の揮発挙動を調べた。その結果,開口部の大きな容器ほど,また高い溶融温度ほど各元素の揮発率が高くなることが明らかとなった。塩化物はMgCl2あるいはCaCl2を添加した場合が最も高い揮発率を示した。Cs揮発の場合,融剤の添加効果が見られたが,重金属元素の場合は融剤無添加の方が高い揮発率となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最終的な目標は,有害廃棄物や汚染土壌などから有害元素を選択的に分離回収し,無害化するための最適処理プロセスの設計指針を得ることである。従来のように,廃棄物や土壌毎に最適処理条件を試行錯誤的に探索するのではなく,様々な組成,つまり異なる性状を有する基材に対して,処理条件に対する揮発・溶出挙動を構成元素ごとに予測可能とするシステムの構築に必要な知見を得ることにある。本研究により,各処理条件の依存性を明らかにすることができた。本研究により得られた成果は,学術面のみならず,社会的にも大きな意義をもつと考える。
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