研究課題/領域番号 |
19K05582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
神林 直哉 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (50706752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | イソシアニド / アレン / らせん高分子 / πスタッキング / リビング重合 / 末端官能基化 / 環化共重合 / πスタック / らせん / 環化共重合反応 / パラジウム / 配位重合 / 不飽和炭化水素 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、新しい機能発現を期待した新規高分子マテリアルの創成とそれを可能にする高分子合成法の開発が盛んに行われている。遷移金属錯体の代表的な配位子の一つであるイソシアニドは、比較的容易に金属―炭素結合間に連続挿入し高重合体を与えることが知られており、現在までに多様な構造及び物性を有するポリイソシアニドが合成されている。しかし、それらはイソシアニド単独の重合に限られ、多種モノマーとの共重合反応は未開拓の研究領域である。本研究では申請者が開発したイソシアニドと不飽和炭化水素の環化共重合反応を基盤として、イソシアニドを用いた新たな重合概念を確立し、最終的にそれらを利用した新規機能性高分子の創成を目指す。
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研究成果の概要 |
我々が以前に開発したオルト位にアレニル基を有するアリールイソシアニドをモノマーとした環化共重合反応において、反応条件及び機構を精査することで、分子量や分子量分布が制御可能なリビング重合反応を達成することができた。また、このリビング性を活かし、末端構造が制御された種々の高分子の構築にも成功した。さらに、重合によって得られるポリ(キノリレン-2,3-メチレン)は、側鎖にアミノ酸誘導体を導入することで、主鎖のキノリン環がらせん状に積層したπスタック型高分子を構築することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、申請者自身の有機金属錯体化学の知見を基本として、錯体レベルから反応設計を行うことで、従来困難とされてきた重合反応の確立に成功しており、今後イソシアニドと不飽和炭化水素を組み合わせた更なる重合系の展開が期待される。 ポリ(キノリレン-2,3-メチレン)が形成するπスタック型のらせん高分子は、従来の合成法では構築が難しい新しい二次構造となる。これらは、末端やπスタック長の制御も可能であり、πスタック構造を経由する物性理解やそれらの体系化を行うことで、材料開発において、今までの概念にとらわれない新しい分子設計及び機能開拓が期待できる。
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