研究課題/領域番号 |
19K05588
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
橋詰 峰雄 東京理科大学, 工学部工業化学科, 教授 (40333330)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 多糖 / ポリイオンコンプレックス / フィルム / 構造制御 / 成形加工 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では多糖のポリイオンコンプレックス(PIC)からなるゲルのフィルムへの成形において、(1)PICゲルの内部構造制御に基づく力学的特性の向上、(2)成膜過程の改良によるPICゲルの力学的特性のフィルムへの転写、相補的検討として(3)フィルムの後処理による力学的特性の向上、について系統的に検討する。成果を基に多糖PICの内部構造を制御し、その構造をフィルムへと転写するための設計指針を提案する。あわせて多糖が合成高分子に匹敵する構造材料としての可能性をもつことを実証する。
|
研究成果の概要 |
本研究では多糖のポリイオンコンプレックス(PIC)ゲルの成膜により得られるフィルムの作製において、ゲルの内部構造を制御し、さらにその構造をフィルムへと転写することを目指した。塩処理・脱塩処理などの前処理がコンドロイチン硫酸またはヒアルロン酸とキトサンからなるPICゲルの物性に与える影響を評価した。また油圧ロールプレス機を用いて力学的異方性をもつフィルムの作製について検討し、PICゲルの含水率の影響などを調査した。さらに電気泳動装置を用いて浸潤状態で電圧を印加した際のフィルムの構造変化について評価した。検討結果からより高い力学的異方性を得るためのフィルムの設計指針について議論した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然多糖からなるポリイオンコンプレックス(PIC)を緻密なフィルム材料へと応用し、さらにその内部構造を制御して高い力学的異方性をもつフィルムの作製を目指した検討は他にはない。PICからなるフィルムは、内部に多点の静電的相互作用が存在するため合成高分子のように容易に延伸成型できるものではない。多糖PICの構造的特徴を理解し、静電的相互作用を制御しながら分子鎖の配向を目指すところに意義がある。材料を得るだけでなく、その機構を高分子化学の視点から理解しようとする点も重要である。実用に耐えうる高い強度や構造・力学的異方性をもつ多糖複合フィルムが得られれば、合成高分子の代替として期待される。
|