研究課題/領域番号 |
19K05600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
榊原 圭太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (20618649)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | セルロースナノファイバー / 高分子分散剤 / ボトルブラシ / 蛍光 / 樹脂複合材料 / 溶融混練 / 複合材料 / 強靭 / 高分子添加剤 / リビングラジカル重合 |
研究開始時の研究の概要 |
セルロースナノファイバー(CNF)強化による樹脂材料の軽量化に大きな期待が集まる中、私たちは、高分子分散剤を用いたアプローチでCNFの分散化とCNF樹脂界面の補強に取り組んでいる。これまでに、高密度ポリエチレンを対象にCNF補強を遂行し、弾性率や強度の面では世界トップレベルの性能を実現したが、トレードオフの関係にある靭性が大きく減少した。本研究では、分散剤による界面制御の観点から、剛性と靭性を両立したCNF強化樹脂複合材料を追及する。CNF/樹脂界面に焦点を当てたアプローチを採用し、大変形に対して分散剤被覆CNFを界面で滑らせる(力学エネルギーを熱エネルギーに散逸する)方策を採る。
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研究成果の概要 |
セルロースナノファイバー(CNF)補強による樹脂材料の軽量化に期待が集まる中、靭性向上が課題である。本研究では、高分子分散剤によるCNF/樹脂の界面制御により、CNFの分散性、解繊性、および靭性向上を試みた。まず、蛍光色素担持分散剤を合成し、蛍光観察による樹脂内部の分散・解繊を可視化するとともに、現製造プロセスの課題を洗い出した。次に、靭性向上を目的として、ボトルブラシ構造を有する分散剤を合成し、溶融混練時に添加することでその効果を調べた。その結果、既存相溶化剤として広く用いられるマレイン酸変性ポリプロピレンと同程度の物性を与えることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースナノファイバー(CNF)による樹脂補強に関する研究開発において、様々な界面制御手法が提案されてきた。本研究では、制御ラジカル重合技術を活用し、CNF強化樹脂の靭性向上に必要なCNFの分散・解繊状態やネットワーク構造を把握する手法を開発したとともに、ボトルブラシ分散剤を提案し、その可能性を広げた点は意義深いと考える。最近注目を集める部分ナノ化CNFを用いた複合材やリサイクル樹脂への適用も可能と考える。今後、本研究の成果が、CNFの社会実装の一助となることを期待する。
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