研究課題/領域番号 |
19K05685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
山本 真理 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 電池材料研究室長 (20416332)
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研究分担者 |
加藤 敦隆 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究員 (40826161)
高橋 雅也 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究フェロー (90416363)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | シリコン / ファイバー / 多孔質 / 全固体電池 / 硫化物系固体電解質 / 界面維持 / ナノポーラスシリコン / ネットワーク構造 / 負極 / Siナノ構造体 / 形態制御 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
硫化物系固体電解質を用いた全固体電池は安全性・信頼性の観点から電気自動車用の大型蓄電池への応用研究が期待される。負極活物質として高容量をもつシリコンに換えることでエネルギー密度の向上が期待されるが、シリコンを全固体電池へ適用した研究は少なく、課題が多い。本研究では、低拘束圧でサイクル安定性と急速充放電特性を併せ持つ全固体電池に適したシリコン負極を開発する。具体的には、垂直配向細孔とLi拡散・電子伝導経路を有するSiナノ構造体を創製し、適したSiナノ構造体の形態を抽出する。また、適用電池の幅を広げるLiプレドープ法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではナノポーラスシリコンファイバーのネットワーク構造をもつ負極複合体を開発した。ナノポーラスシリコンファイバーは安価でスケールアップが容易なエレクトロスピニングとマグネシオ熱還元法を組み合わせ作製した。ナノポーラスシリコンファイバーの全細孔容積は容量1635 mAh g-1に相当する体積変化を収容でき、ファイバー外側への体積変化がほとんどないため周囲との界面を維持できる。また、ファイバー構造は負極複合体中で容易にネットワークを形成でき、この中をLi+拡散・電子伝導できるため、シリコンの利用率の向上や部分的な界面剥離の補償に寄与する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
硫化物系固体電解質を用いた全固体電池は高い安全性や高出力特性を有することから電気自動車用の大型蓄電池への応用が期待されている。現状の黒鉛負極を10倍の比容量をもつシリコンに代えると電池の重量エネルギー密度は2倍になると試算される。しかし、シリコンは充放電時に400%体積変化し、サイクル安定性が低下する。本研究ではナノポーラスシリコンファイバーを用いネットワーク構造を形成した負極複合体を創製し、その充放電特性や界面維持について調査した。ナノポーラス構造とファイバー構造の組み合わせにより、界面維持やイオン・電子伝導経路の構築が可能となり、サイクル安定性が向上することを示した。
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