研究課題/領域番号 |
19K05692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
横川 隆志 岐阜大学, 工学部, 教授 (90242304)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 無細胞タンパク質合成系 / 遺伝子工学 / メタン生成アーキア / 翻訳 / tRNA / 不活化tRNA / ジスルフィド結合 / tRNAの不活性化 / メタン / アーキア / ラジカルSAM酵素 / 無酸素環境 |
研究開始時の研究の概要 |
常温で成育するアーキアを培養し、その細胞抽出液を用いた無細胞タンパク質合成系を構築する。アーキアは培養することが難しいので、翻訳の個々の反応は十分に理解されていない。そこで、アーキア無細胞タンパク質合成系を利用して、生化学的な研究を行い、翻訳過程への理解を深める。また、これまで合成することが難しかったタンパク質を、無酸素環境下で反応するなど、アーキアの特徴を活かすことで、合成できるようにならないか検討する。 またアーキアの遺伝子工学を確立し、生細胞を用いたタンパク質産生系を構築することにも並行して取り組む。アーキアの遺伝子工学により得られる知見は、地球温暖化対策等の環境問題にも資する。
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研究成果の概要 |
常温で成育するメタン生成アーキアMethanosarcina acetivoransをリットルスケールで培養し、無細胞タンパク質合成系に使用する細胞抽出液を嫌気的に調製することで、chloramphenicol acetyltransferaseをマイクログラムスケールで合成することに成功した。細胞抽出液の不活化要素として、tRNAの不活化と某かの翻訳因子の酸化が原因であることを明らかにした。またM. acetivoransにベクターDNAを導入することに成功し、puromycin N-acetyltransferase遺伝子の発現を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトには多くの機能未知タンパク質が存在する。機能未知タンパク質の機能を調べることが現代の課題だが、そのためには天然の状態に近いタンパク質が必要となる。ヒトの全塩基配列がわかっているので、大腸菌に遺伝子を導入してタンパク質を生産させることが多いが、大腸菌細胞内で沈殿してしまうことも多い。アーキアは見た目が大腸菌に似ていても細胞の成分は真核生物に近いと考えられるので、天然に近い状態のタンパク質が得られる可能性がある。この技術は、タンパク質を生産するための選択肢の一つとなりうる。
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