研究課題/領域番号 |
19K05707
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
渡邊 賢司 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (90631937)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | インドリジン / 光反応 / カルボン酸 / アルコール / アミン / 共有結合形成反応 / 水中反応 / 複素環化合物 / 生体共役反応 / 生体分子修飾 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、インドリジン等の芳香族複素環化合物を骨格とする、生体分子の化学修飾・機能化の為のプラットフォーム分子の設計・合成を行う。本プラットフォーム分子を用いたタンパク質やペプチド、核酸等の生体分子とのチオール選択的な化学修飾を行う。次に、生体の内因的な、i) pH変化、チオールの作用、酸化作用、還元作用等、複数の作用パターンをトリガーとする、生体分子からのプラットフォーム分子の結合解離を検討する。さらに、本コンセプトを用いた、ii) 医薬品分子等の生理活性化合物の解離、及びiii) 光応答的な解離について研究する。
|
研究成果の概要 |
安定な共有結合を光照射により迅速に形成・切断するインドリジンの光反応の開発した。インドリジンと光増感剤に、エネルギーの低い長波長光を短時間照射することで、カルボン酸またはアルコール化合物が放出されることが分かった。本反応をアミン存在下で行うと、インドリジンとアミンとの分子間でアミド結合が形成されることが分かった。反応機構の検討の結果、光増感剤への光照射によって生じる一重項酸素が本反応の活性種であることが分かった。本反応は、組織透過性を示す長波長光の照射によって、水中、室温で進行することから、生命科学研究や創薬への応用が今後期待できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エネルギーの低い長波長光で安定な共有結合を活性化することは従来容易ではない。本研究ではインドリジンに適切な置換基を導入することで光反応性を高め、迅速な共有結合の形成と切断を可能とした。光照射により共有結合の形成と切断を起こす光反応素子は生命科学研究に役立つと考えられる。現在、本素子の生命科学や創薬研究に向けた応用を進めている。例えば、患部に光照射することで薬物を放出し、薬効を発揮する医薬品候補化合物を開発するなど、本研究の社会実装に向けた研究を進めている。
|