研究課題/領域番号 |
19K05725
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
福田 将虎 福岡大学, 理学部, 准教授 (90526691)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | RNA編集 / G-quadruplex / 遺伝子制御 / 翻訳制御 / 非翻訳領域 / ADAR / ガイドRNA / グアニン四重鎖構造 / グアニン4重鎖構造 / RNA高次構造 / 機能性RNA / 分子設計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、独自の視点からA-to-I RNA編集の遺伝子発現制御原理の仮説を立て、それを実験的に証明することで、RNA編集技術の応用可能性を明らかにすることを目的とする。具体的には、RNA編集がイノシンを含むG-quadruplexを誘起し、タンパク質翻訳を抑制できること、及び、5’非翻訳領域におけるAUA → AUI変換が新たなタンパク質翻訳領域を生成し、さらにその翻訳が下流の翻訳に与える影響について研究を行う。本研究により、生体内RNA編集機構の機能に関して理解を深めると共に、RNA編集技術のポテンシャルを示すことができる。
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研究成果の概要 |
本研究は、A-to-I RNA編集による新たな遺伝子制御原理を探索することを目的とし、(1)RNA編集によるタンパク質翻訳に影響を与えるRNA構造体の誘起、並びに(2)RNA編集による5’非翻訳領域におけるタンパク質翻訳領域の生成に関する研究を実施した。研究項目(1)においては、RNA編集によりイノシンを含むG-quadruplex構造を誘起できること、及び、その構造形成がタンパク質翻訳を阻害することを明らかにした。また、研究項目(2)では、RNA編集により5’非翻訳領域に生じたAUIトリプレットが新たな開始コドンとして機能し、その結果、下流の翻訳が抑制されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
A-to-I RNA編集によりmRNA上で生じるコドン変換やRNAの二本鎖構造の安定化は、その後に翻訳されるタンパク質機能や発現量に影響することが知られている。本研究で実証した、A-to-I RNA編集によるイノシンを含むG-quadruplex構造が形成、及び、開始コドンの生成は、いまだ明らかにされていない新たなA-to-I RNA編集の遺伝子制御原理であり、生体内A-to-I RNA編集機構の理解に重要な情報を与える。また、本研究成果は、近年開発されたRNA編集技術による遺伝子機能制御法を拡張するものであり、医薬品開発を始めとする医療分野においても応用できる。
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