研究課題/領域番号 |
19K05728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
上井 幸司 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80347905)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ / オリゴマー / 凝集阻害物質 / 構造活性相関 / 構想活性相関 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会に伴う患者数の増加が予想されるアルツハイマー型認知症 (AD) は認知症の半数以上を占め,早急な対応が望まれるが,現状は対処療法しかない.この問題を克服するために,本研究は,AD患者の脳内で異常に凝集し,神経細胞障害の原因となるアミロイドβタンパク質の凝集を阻害する物質,その中でも特に毒性が高いとされる低分子オリゴマーの形成を阻害する物質を天然植物や食品から見つけ出し,化学的により作用の強い構造へと導き,その作用を核磁気共鳴法などの分析法や,試験管レベルや動物実験などの生物学的な方法により検証することで,新しいAD予防・治療薬の開発へと繋げようというものである.
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研究成果の概要 |
アルツハイマー型認知症 (AD)患者の脳内で異常に凝集し,神経細胞障害の原因となるアミロイドβタンパク質の低分子オリゴマー形成を阻害する物質を天然植物から見い出し,新しいAD予防薬の開発へと繋げることを目的とした.数百種の植物を対象としたスクリーニングの結果,複数の活性素材を見出した.これらから活性物質を精製し,複数の高い活性を示す化合物を単離することができた.例えば,ゲンノショウコからゲラニインが活性物質として単離されたが,種々の検討の結果,主に活性を担う物質はゲラニインそのものではなく,その加水分解物であることを明らかにした.また,活性物質の誘導化により,元の物質より高活性物質を創製した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー型認知症 (AD) は認知症の半数以上を占める.超高齢社会に伴う患者数の増加により早急な対応が望まれるが,現状は対処療法しかない.そこで,患者の脳内で異常凝集し,神経細胞を障害するアミロイドβ (Aβ) ,特に初期に生成する低分子オリゴマーの凝集阻害が注目されてきており,この早い段階での凝集を抑えることがAD予防の鍵となると考えられる. 本研究では,天然植物からゲンノショウコをはじめとする複数のAβオリゴマー凝集阻害物質を見出し,天然物質を上回る活性を示す物質を化学合成した.これらの物質やこれらを含む食品素材は,新しいAD予防・治療薬や食品に開発につながると期待される.
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