研究課題/領域番号 |
19K05747
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
どど 孝介 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (20415243)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | アフィニティーラベリング / がん / 蛍光イメージング / 有機化学 / 蛍光ラベリング |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞特異的な蛋白質に結合する低分子化合物(リガンド)に蛍光団を導入した蛍光プローブは、がん細胞に対して選択的に結合することでその可視化を可能にする。しかしながら本手法ではリガンドと標的蛋白質との結合が維持される必要があるため、がん組織の固定化処理を行うと蛋白質の変性と共にその結合が損なわれ、組織標本の作製は困難であることが問題であった。 そこで、我々はプローブと標的蛋白質との間に共有結合を形成できるように設計することで、固定処理でも蛍光が損なわれることなく、組織標本中でも高感度にがん細胞の分布を調べることができる蛍光ラベリングプローブの開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では生物活性化合物に結合する蛋白質を選択的に蛍光標識することができるアフィニティーラベリングを用いて、がん細胞を蛍光標識して可視化する蛍光プローブの開発を目指した。まず、がん細胞に受容体が多く発現することが報告されているビタミン類などを中心に様々なプローブの開発を行い、そのがん細胞への影響を調べた。その結果、効率は低いものの蛍光標識化できるプローブを見出すことに成功した。一方で顕著な抗腫瘍活性を持つ天然物に対して本手法を適用し、これまでに同定されていなかった新しい標的蛋白質を同定することにも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療においては外科手術によるがん組織の切除が有効であるが、わずかでも取り残しがあればそこからがん細胞は増殖し、がんの再発へとつながる。そのため、外科手術中に微小ながん細胞でも検出できる技術が望まれている。その達成を目指し、本研究ではがん細胞を蛍光標識できる蛍光プローブの開発を行った。その結果、実用化にはまだ超えるべき壁は多く残されているが、基本となる原理を確立することには成功した。加えて抗腫瘍活性を持つ天然物の新しい標的蛋白質を同定することにも成功し、新しいがん治療法の開発に貢献することが期待される。
|