研究課題/領域番号 |
19K05750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古川 純 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40451687)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 樹木 / カリウム / 元素動態 / 節 / 休眠 / セシウム / 短日 |
研究開始時の研究の概要 |
短日環境により休眠が誘導されたポプラの地上部ではSKORというカリウムチャネル様タンパク質の発現が誘導されることから、短日をトリガーとする樹体内カリウム循環制御機構の存在が示唆される。SKORの機能解明および組織レべルでの局在解析、植物ホルモンなど発現誘導に関与する因子の決定により、短日条件下でカリウムの樹体内挙動を変化させる意義や輸送に必要と考えられる他の要素について明らかにする。
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研究成果の概要 |
樹木の冬季環境への適応機構の一つとしてカリウムの回収・分配機構に着目して研究を行った結果、短日を認識したポプラの節では、転写因子MYB59の発現が誘導され、その制御下にあるSKORならびにNRT1.5という細胞外へのカリウム排出を担う輸送体の発現が誘導されるという現象を明らかにした。これらの輸送体は長日条件と短日条件でその局在部位を大きく変化させており、この局在変化が短日条件におけるカリウムの回収・分配制御に関与しているものと考えられる。また短日をトリガーとしたカリウム分配制御には植物ホルモンのオーキシンが直接あるいは間接的に関与している可能性を見出し、樹木の環境適応の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木のような多年生植物では季節の変化に応答して樹体内における養分輸送のソース・シンクが大きく変化しており、本成果によりその具体的な分子メカニズムの一端を明らかにすることができた。特にタンパク質レベルでの局在解析の結果から、成長が活発な春夏と、落葉に備える秋では同一の輸送体であってもその局在部位が異なり、担うべき役割が大きく異なることが示唆されたことは非常に意義深い。ソース・シンクの制御は樹木のみならず多くの作物で課題となっている植物生理学・植物栄養学の重要なトピックであり、本成果はその理解に貢献できるものと期待している。
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