研究課題/領域番号 |
19K05756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
西田 翔 佐賀大学, 農学部, 准教授 (40647781)
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研究分担者 |
山上 睦 公益財団法人環境科学技術研究所, 環境影響研究部, 副主任研究員 (60715499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヨウ素 / 根圏 / グルタチオン / シロイヌナズナ / QTL / 還元物質 |
研究開始時の研究の概要 |
ヨウ素は、欠乏による健康被害や核燃料由来の放射性ヨウ素の拡散などの観点から社会的重要度の高い元素の一つである。環境中のヨウ素循環において、ヨウ素酸イオンからヨウ化物イオンへの還元反応は植物と微生物が触媒していることはわかっているが、その分子機構は未だ解明されていない。申請者らは先行研究において、植物の根からヨウ素酸還元物質が分泌されること、そのヨウ素酸還元能は未知の遺伝子によって支配されていることを示す結果を得た。本研究では根から放出されるヨウ素酸還元物質を同定するとともにヨウ素酸還元に関わる遺伝子を同定することで、世界に先駆けて植物根圏におけるヨウ素酸還元機構を分子レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、モデル植物であるシロイヌナズナを用いて、植物根圏においてIO3-をI-へと還元する原因分子、およびIO3-還元能の責任遺伝子を同定し、植物のヨウ素還元機構を分子レベルで明らかにすることを目的とした。その結果、シロイヌナズナの根圏では、根から放出されるグルタチオンがIO3-をI-へと還元することが明らかとなり、グルタチオン合成酵素遺伝子であるGSH1が根のIO3-還元活性に関与することが示された。これに加え、根の細胞膜に局在するNADPHオキシダーゼもまたIO3-還元に関わる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、地球環境におけるヨウ素循環の解明およびヨウ素動態の予測技術に貢献することが期待され、放射性ヨウ素を放出する核資源を安全に管理・活用する上で極めて重要な知見となる。これに加え、ヒトのヨウ素欠乏症抑制を目的としたヨウ素濃度を強化した作物の育成技術に繋がることが期待できる。
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