研究課題/領域番号 |
19K05767
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
麻生 祐司 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (70380590)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イタコン酸類縁体 / 発酵生産 / 創薬 / ポリマー合成 / バイオビニル / イタコン酸 / 発酵 / ライブラリー / 構造機能相関 / 創薬シード化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
ある種の微生物は末端ビニル基を有する化合物『バイオビニル』を生産する。これらは抗酸化性・抗菌性・抗炎症性・抗腫瘍性など多様な生理活性を併せ持つ。よって、バイオビニルは感染症予防や抗ガン作用など種々の疾病予防機能を有する新規創薬シード化合物として期待される。この多様な生理機能は末端ビニル基に起因すると考えられるが、バイオビニルの構造-活性相関および発酵生産に関する知見はない。そこで本研究では、バイオビニルの体系化(ライブラリー化)、発酵生産システム構築、構造-機能相関解析を通して、バイオビニルを創薬シード化合物として利用するための基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
バイオビニル生産菌の分離技術「DISCOVER」を開発した。本技術を用いて土壌より9-, 10-ヒドロキシヘキシルイタコン酸のバイオビニルを生産するAspergillus niger S17-5を分離した。両バイオビニルの発酵生産性はオクタン酸の添加により増加したことから、アルキルクエン酸回路が生合成に関与していることが示唆された。また、9-ヒドロキシヘキシルイタコン酸はガン細胞HeLaの生存率を低下させた。さらに、フリーラジカル重合により10-ヒドロキシヘキシルイタコン酸とイタコン酸の共重合体を得た。ポリマーの分子量は10-ヒドロキシヘキシルイタコン酸ユニットの増加により減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は応用微生物学・創薬化学・高分子合成化学を融合する先駆的な試みである。特に、申請者が開発した技術以外にバイオビニル生産菌を選択的に分離する方法はなく、バイオビニルを創薬原料として利用する試みもないため、本研究は優位性と独創性に優れる。また、新規遺伝子・酵素の取得や新規バイオプロセス法の開発(応用微生物学)、新薬の開発や新規予防医療技術の提供(創薬化学)、新規重合法や新規物性ポリマーの開発(高分子合成化学)など、幅広い学術領域への波及効果が期待できる。
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