研究課題/領域番号 |
19K05782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
野崎 晋五 立教大学, 理学部, 助教 (70725481)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大腸菌 / 形質転換 / トランスフォーメーション / コンピテントセル / DNA取り込み / プラスミド / DNA導入 / DNA膜透過 / DNA導入法 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸菌は細胞外のDNAを細胞内に取り込みその形質を変化させることができる。大腸菌では、この形質転換の方法は1970年代に報告されて以降、広く利用されている。しかし、どのようにして細胞内にDNAが取り込まれているのかについては未だ不明である。本研究では形質転換時のDNA取り込みが向上、または低下する大腸菌変異株を用いて、どのような遺伝子が原因でDNA取り込み能力が変化するのかを調べる。またそれらの遺伝子の機能を解析することにより、どのようなメカニズムによりDNAが細胞内へと取り込まれるのかを明らかにする。さらに、これらの結果を基にして、DNA取り込み能力の向上した高性能大腸菌株を創出する。
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研究成果の概要 |
大腸菌の形質転換に関わる因子の探索を行い、envZ遺伝子の欠失により形質転換効率が上昇することを見出した。このenvZ遺伝子の欠失による形質転換効率の上昇は、外膜タンパク質の一つであるOmpAの発現量の上昇によるものであった。OmpAが形質転換において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、簡便な形質転換法の開発を試みた結果、微量試験管中のわずか0.05 mLの培養液からコンピテントセルが作製であることを見出した。このような少量の培養液からコンピテントセル作製ができるようになることで、より簡便に形質転換を行えるようになることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸菌の形質転換はDNA組換え技術において最も基本的な操作の一つである。その機構が解明されることで、形質転換効率がより向上した高性能で使い勝手の良い宿主大腸菌株や新たな形質転換法を生み出す基盤となる。また、DNAのような巨大分子の取り込み機構の解明は、細胞膜を透過しづらい抗菌剤を細胞内に浸透させるための大きな手がかりとなる。これは、多剤耐性菌が社会的な問題となっている現代において、抗菌剤を有効に活用する新たな手段の開発にもつながるものである。
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