研究課題/領域番号 |
19K05792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
神崎 浩 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (60183787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | β-N-アセチルグルコサミニダーゼ / TMG-chitotriomycin / PNP-TMG / β-GlcNAcase / 糖質加水分解酵素 / Subsite構造 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は,β-N-Acetylglucosaminidase(β-GlcNAcase)が,新規阻害剤TMG-chitotriomycin に対する感受性の違いにより分類できること, 糖部分認識Subsite(+1)がTMG残基と結合し阻害される酵素とそうでない酵素があることを明らかにしてきた。ところが,土壌から単離したp-Nitorophenyl-GlcNAc資化性菌に,複数のβ-GlcNAcaseを生産し,既知のβ-GlcNAcaseとアグリコン認識Subsiteの構造が異なる酵素が存在する可能性が示唆された。そこで本研究では,阻害剤感受性の異なる酵素を精査し,基質認識機構研究を進展させる。
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研究成果の概要 |
昆虫GlcNAcaseは我々が見いだした特異的な阻害剤TMG-chitotriomycinに加えてその類縁体PNP-TMGによっても阻害されるが,活性は1000倍ほど低かった。一方,PNP-GlcNAc資化性菌MK26株から精製したGlcNAcaseは昆虫GlcNAcaseと同様にTMG-chitotriomycin, PNP-TMGにより阻害されるが,その阻害活性は同程度であり,昆虫GlcNAcaseの阻害特異性と大きく異なっていた。さらに,MK26株は培養時間の違いにより分子量などの性質が異なるGlcNAcaseを生産するが,TMG化合物に対する阻害特異性は類似していることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖質加水分解酵素は,同じファミリーに属していても,そのサブサイト構造の違いにより基質特異性が異なり,得られる生成物が異なることが知られている。その研究は主に,精製酵素の結晶構造解析で進められてきたが,我々が見出したサブサイト認識阻害剤を使うことで,サブサイト構造の異なる酵素の存在を明らかにすることが可能であることが明らかとなった。この阻害剤を用いた研究と,タンパク質立体構造解析研究とを組み合わせることで、より詳細な酵素活性中心の機能解明が可能になると推察される。
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