研究課題/領域番号 |
19K05804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
村上 千穂 安田女子大学, 薬学部, 助教 (50649077)
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研究分担者 |
青井 議輝 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (40386636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 難培養性微生物 / 亜硝酸酸化細菌 / Nitrospira / 休眠と覚醒 / RNA-seq / 覚醒シグナル / 休眠・覚醒 / totalRNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
これまで, 難培養性微生物である亜硝酸酸化細菌 Nitrospira の増殖メカニズムを調べてきた。その結果, Nitrospira には栄養源となる亜硝酸があっても増殖をしない状態があることが分かった。この増殖しない状態 の Nitrospira に自身の培養上清を添加したところ, 増殖が見られた。これを「休眠状態からの覚醒」と定義する。 本研究では, 休眠状態の Nitrospira が自身の培養上清(覚醒シグナル)を感知する機構を明らかにする。休眠状態, 覚醒状態, 増殖状態の3状態の遺伝子発現の違いをRNA-seqによって網羅的に解析することにより, シグナル感知機構を解明する。
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研究成果の概要 |
難培養性微生物Nitrospira ND株のRNAを抽出し、次世代シークエンスすることで全遺伝子の発現量を網羅的に調べた。その結果、ND1には、休眠状態と増殖状態の間に両者とはことなる第三の状態である覚醒を示す状態があることがわかった。 さらに、これらの現象がNitrospira NJ1株(実環境中でもND1近傍に存在することが知られている別種の株)でも同様に、休眠・覚醒現象を起こすことが分かった。さらに、ND1とNJ1の代謝物は、互いの休眠からの覚醒現象を誘導していることがわかった。これらの結果から、実環境中でこれらの株が互いの増殖を制御していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境中の多くの微生物が人工培養できない(難培養性)理由についてはほとんど明らかになっていない。本研究結果は, 申請者らが世界で初めて純菌株の獲得に成功した難培養性亜硝酸化細菌(Nitrospira)を用いることで, 環境中の微生物の増殖をコントロールする新しい原理の発見につながる。すなわち、休眠状態にある環境微生物を覚醒させて増殖させるには、代謝物に含まれる覚醒シグナルが必要であることが分かった。
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