研究課題/領域番号 |
19K05822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
戸澤 譲 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90363267)
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研究分担者 |
川岸 万紀子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (50355707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 転写因子 / イネ / 高温不稔 / Oryza sativa / 雄性不稔 / 無細胞翻訳系 / 花粉 |
研究開始時の研究の概要 |
農業分野では、悪環境下で生産性を維持できる穀類の品種育成が最重要課題である。本研究では、イネの高温不稔の分子メカニズム解明を通じ、高温障害を回避するイネ育種戦略の基盤情報の獲得を目指す。具体的には、高温条件下でのイネ葯壁タペート組織の機能不全に主眼を置き、タペートで働く転写因子群を無細胞翻訳系により調製し、配列特異的DNA結合活性および転写因子間の相互作用に関する各タンパク質の生化学的特性を明らかにし、特定候補遺伝子の転写制御に基づく温度感応性の分子機構の解明を目指す。また、制御の標的となる花粉表層構造の形成に必要な酵素をインビトロ再構成し、温度感受性への寄与メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
急速に進む地球温暖化は、イネなどの主要穀類の生産に大きな影響を与え、花期の高温条件が米の品質劣化のみならず、時に不稔を招くことが明らかになってきた。この高温不稔の問題は、将来的な食糧生産維持のために解決すべき重要課題の一つである。研究代表者らは、転写因子の機能解析をタンパク質レベルで解析することを主な目的とし、小麦胚芽抽出液を利用する無細胞翻訳系を利用して、イネの高温雄性不稔に関係すると予想してきた転写因子候補を完全長タンパク質として合成・精製し、さらに転写因子OsMyb80の制御下にある花粉形成に必須な遺伝子CYP703の転写制御領域へのOsMyb80の特異的結合を生化学的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温雄性不稔に関連する転写因子のタンパク質レベルでの機能解析系の構築は、温度感受性を生化学的に検証する上で重要な技術的プラットホームの提供につながると期待される。高温条件で影響を受けやすい分子機構の解明を加速することにより、タンパク質工学やゲノム編集を利用した転写制御様式のオーダーメイド型改変など、イネなどの主要作物の高温条件対策を具体的に進める応用研究の下地になるものと考えられる。
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