研究課題/領域番号 |
19K05828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
田淵 光昭 香川大学, 農学部, 教授 (00294637)
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研究分担者 |
船戸 耕一 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (30379854)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / TORC2 / 酵母 / 転写因子 / Sacchromyces cerevisiae / Ypk1 / 転写制御 / ストレス応答 / マスター転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
生体膜はスフィンゴ脂質を含む多様な脂質により構成されており、個々の脂質分子種の構成比は生物種や細胞の種類により違いはあるがそれぞれの細胞において定常状態において一定に保たれている。一方で、環境変化などのストレスに対応して形質膜の脂質構成比をファインチューニング(微調整)することにより環境に適応している。本研究は、申請者が酵母において見出した機能未知の転写因子Mlm2による転写制御を介したスフィンゴ脂質代謝のファインチューニングシステムを明らかにすることを目的としており、本研究の目的が達成されたならば、酵母からヒトにまで保存された新規なスフィンゴ脂質代謝制御機構の解明につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
生体膜を構成する脂質のグローバルなコントロールは、マスター転写制御因子と呼ばれる脂質代謝酵素やその制御因子遺伝子を標的とした少数の転写制御因子により制御されることが知られている。グリセロリン脂質やステロールについては、酵母及び哺乳動物においてマスター転写制御因子が明らかにされているが、スフィンゴ脂質代謝について不明であった。我々は、酵母においてC2H2型Znフィンガー転写因子Com2が、スフィンゴ脂質レベルの低下に伴って誘導され、下流にあるスフィンゴ脂質代謝に関わる遺伝子の発現を制御することでスフィンゴ脂質代謝を制御するマスター転写制御因子であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、転写因子Com2が長らく未解明であったスフィンゴ脂質代謝におけるマスター転写制御因子であることを明らかにした。Com2はスフィンゴ脂質低下に依存的に発現誘導され、この誘導は既知のスフィンゴ脂質感知に機能するTORC2-Ypk1シグナル経路の機能欠損株においても正常であることから、本経路とは独立した経路で細胞内スフィンゴ脂質量を感知していることを明らかにしている。 酵母は、オートファジーなどの真核生物共通の生物学的プロセスの発見に貢献し、様々なヒト疾患の発症メカニズムの理解につながっている。本研究によりヒトにおけるスフィンゴ脂質代謝制御異常に関連した疾患の理解にもつながることが期待される。
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