研究課題/領域番号 |
19K05829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
安田 佳織 富山県立大学, 工学部, 講師 (70707231)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ビタミンD / 代謝 / 診断 / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
CYP24A1は25ーヒドロキシビタミンD3(25D3)や1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(1,25D3)を連続的に代謝する酵素であり、近年、本酵素と疾患との関連が報告され始めた。血中25D3や1,25D3量に加えて、多数存在するCYP24A1由来代謝物を定量的に解析することが重要であるが多くの代謝物は市販されていない。本研究では、各代謝物取得技術とそれらの一斉定量分析技術、各種遺伝子改変ラットを利用し、複数のビタミンD代謝物の体内動態や生理作用を調べる。これにより、新たなビタミンDの作用メカニズムの解明、またビタミンDが関与する疾患のリスク診断・予防法を知る手がかりになる。
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研究成果の概要 |
CYP24A1は、体内の25-ヒドロキシビタミンD3(25D3)や1,25-ジヒドロキシビタミンD3(1,25D3)を不活性化する酵素である。野生型およびCYP24A1遺伝子欠損(KO)ラットに、25D3を連日投与したところ、野生型ラットでは影響はみられなかったのに対し、CYP24A1 KOラットでは、血中カルシウム濃度が上昇し腎石灰化が認められた。近年、ビタミンD不足・欠乏の人が増えており、ビタミンD3や25D3の積極的摂取が重要になる。一方で、CYP24A1機能不全の人がビタミンD等を摂取する場合注意が必要であり、事前にCYP24A1依存的代謝物定量などによる診断が重要になると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、25D3がくる病や骨粗鬆症の予防・治療になり得る可能性を示唆してきた。25D3摂取時の効能や副作用の個人差を知る上で、その生体内での代謝を明らかにすることが重要である。今回の研究結果から、CYP24A1だけではなく薬物代謝酵素CYP3A4が代謝に関与すること、また、CYP24A1機能不全の場合には、25D3の積極的摂取に注意が必要であることが明らかになった。近年、大多数の人がビタミンD欠乏・不足状態にあることが判明しており、ビタミンD3や25D3の積極的摂取が大切になる。安全な摂取推奨に向けて、血中24,25D3濃度の定量などCYP24A1機能不全を事前に知ることが重要である。
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