研究課題/領域番号 |
19K05867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝良 東海大学, 医学部, 教授 (40287066)
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研究分担者 |
松嶋 成志 東海大学, 医学部, 教授 (60280947)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | アスピリン / 小腸粘膜傷害 / プロバイオティクス / 腸内細菌叢 / Lactobacillus gasseri / プロバイオティックス |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会に入った本邦において、動脈硬化性疾患は増加傾向にありその予防に必要なアスピリン処方量も増加している。 アスピリンに起因する消化管粘膜傷害の発生が近年消化器領域で問題となっており、その予防医学の確立は急務であると考える。しかしながら、その発生機序や予防法の検討は、ラットやマウスを使用した実験結果に頼っていたところが多い。そこで、本研究ではヒトにおけるアスピン起因性小腸粘膜傷害の発症機序を検討し、プロバイオティックスによる小腸粘膜傷害改善効果の作用メカニズムを細菌学的、免疫学的、組織学的アプローチにより明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はアスピリン常用者にプロバイオティクスを服用させ腸内細菌叢の変化を検討することで、アスピリン粘膜障害の病態とプロバイオティックスによる粘膜障害低減効果における腸内細菌叢の役割を解明することである。プロバイオティクス摂取前後のβ-diversityによる腸内細菌叢の全体構造比較では、プロバイオティクス摂取前においてコントロール群とアスピリン群間で有意な差を認めたが、プロバイオティクス摂取後にそれらの有意差は消失した。よってプロバイオティクス摂取は、アスピリン投与によって生じた腸管内細菌叢の変化にremodellingを生じさせ腸管粘膜傷害軽減に寄与した可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進む先進国において、動脈硬化性疾患である脳血管障害や心疾患の罹患率は高く血栓塞栓症の発症リスクを低減するための治療薬として低用量アスピリン(LDA)は広く用いられている。LDAは以前から消化管粘膜傷害を引き起こす薬剤として知られており、時に重篤な消化管出血により致命的な合併症きたすので、処方する懸念材料の一つであった。今回のLDAによる腸内細菌叢変化に対するプロバイオティクスのremodeling効果は、今後、LDA誘発小腸粘膜障害の予防と治療におけるプロバイオティクスの臨床応用に十分な可能性を提供したと考えられる。
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